真実は語るべき?

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学校・会社・集合住宅・・、人が集合する場にありがちな話をする。経営に苦しむ社長と部下を例えとしよう。

不遇に対して煮えたぎる悔しさ。
歴史的人物で言えば大石倉之助的な生き方は、得てして部下たちに曲解を受けやすい。

志は叶うまで、口を閉ざすべきもの。
その態度が「うつけ」を演じきってるほど、業を煮やした部下たちから「ご立派ですね。必死に生きている私たちを馬鹿にしてるんでしょうね。」と目を伏せられるのが落ちである。
それなら真実の理由目的は何かと、彼らの肩を抱いて語れば良いのだろうか。

相手に理解してもらえるよう伝える努力は必要。
同じ辛さを我慢する仲間なんだと共感を得る努力も必要。
腹の中では「この馬鹿」と舌を出し、騙すテクニックも必要。

どこにも漏れない万全を期すため「必要」までも隠し通して、目標に辿り着いた達成感は極上ヒレステーキの味わいかもしれない。
しかしそれを正攻法としてポーカーフェイスで得たものは、最終的な成功に通じるのだろうか。自分の幸せに歪みは生じないのだろうか。

成功報酬を得ても、我慢した歪みの結果は病気に形を変えて現れたり、家族など大切な場所に生じるものだ。
癌になった、妻がキッチンドランカーになった、子供がニートになった等々、気付いた時には取り返しの付かない状況が起きる。
因果応報だ。本来なら全員が幸せにならなくちゃならないのに・・。

まだ本音を語るべき時期ではない時、言ってくださいよと願う相手にどうして欲しい?
真実は追求して聞き出すものではなく、文章で言うならば「行間を読む」、対話で言うならば「表情を読む」ことを心の奥で願うだろう。
話せばわかるは到底通じるような相手ではないことを、百倍承知していてもだ。信じたい相手なら尚の事だ。でも結果は勝手に一人歩きする。

今夜は1日1冊本を読む日課をストップして、ウディアレン脚本・監督の映画「マッチ・ポイント」を観た。
真実を隠し通した、後味は小気味良くも悪くもある才色兼備男のストーリーだ。
これについての感想は明日のブログで・・。

TOKYO FMで映画評論をしていたころ、オフィス・マツナガのボスからお褒めの言葉を頂いたが、まだその力量が残っているかどうか。リハビリ物書きと名刺に載せようかと、真剣に考えている昨今である。

コメント

  1. こまちゃん より:

    コミュニケーションって難しいですよね。
    話せば解るのは当たり前ですが、
    解る様に話せない人が増えている、という事実。

    そもそも「あうん」の呼吸の相手を見つけ、
    パートナーにする事が至難の業。

    ってことは、皆に理解して貰えるなんて
    あり得ないってことかなぁ、な~んて思ってます。

    評価ばかり気にすると八方美人になっちゃうし、
    気にしないと傲慢だって非難されるし。w

  2. yuris22 より:

    こまちゃん

    >話せば解るのは当たり前ですが、
    >解る様に話せない人が増えている、という事実

    そうですね。
    しかも解るように話しても、聞く耳を持たない人がいます。
    生まれや育ちは多分に影響するでしょうし、歳を重ねるほどその溝は越え難くなります。

    100人のうち1人の共感者を得るだけでも(イエスマンって意味じゃなく)、千人力なんでしょうね。

  3. ya!ya!ya! より:

    こんにちは yuris22さん

    感心させられる文章力つい引き込まれてしまいました。
    何が良くて何が悪いのか、、、、。

    今日も朝礼で若い連中に、頭は良いのは分かっている。
    暗記力も良いのは分かってる。
    知識と能力を人財として発揮して欲しい、と。

    56歳年寄りの嘆きでしょうか?

  4. たそがれ より:

    >話せばわかるは到底通じるような相手ではないことを、百倍承知していてもだ。信じたい相手なら尚の事だ。でも結果は勝手に一人歩きする。

    本当にその様に考えます。
    組織のリーダーでは有りませんが、家族がいます。
    一度 妻に全てを話したことはあります、しかし理解は難しかった様です。
    それ以降、妻に解る部分は話していますが「多くは自分の問題、人生の課題と考え」話していません。
    結局「自分が体験し考え感じた事」以上に事態を理解するのは難しいのではないでしょうか?
    今の教育は「話せば解る」と教えますが、これは明らかに間違い、それは社会現象が語っていると思います。

    ちなみに「ウディアレン」は大~~大好きです。
    彼の「議論、言葉、議論・・・」の世界は、ある意味現代を象徴し、面白く愉快ですが、考えさせられます。

  5. yuris22 より:

    ya!ya!ya!様

    若い社員たちは「人財」ではなく「人材」ですものね。しかも時として口が上手いだけの「人罪」たちに煽てられ騙される・・。

    幾ら若くても、頭の良さは経験値が身につかなければ役立ちません。なのに、わかったつもりな事ばかり叫んで傷ついて、いつか彼らが親の歳になったときには、ごめんなさいも後戻りもできないのです。

    これは散々親に迷惑をかけて、放蕩娘だった私の本音。
    でもまだ間に合う今だから、軌道修正も出来ます。
    新しい事業に乗り出してもちろん不安もあるけれど、自分に嘘をつかずに頑張れる未来を構築している現況です。

    なんだか小難しいお返事になってしまいました^^;
    ニュアンスだけでも感じ取っていただければ幸いです。

  6. yuris22 より:

    たそがれ様

    思い悩んでいること。それが自分にとっては何年もの辛さでも、相手にとっては今初めて聞いたことかもしれません。

    君を動揺させたくないから言わなかった・・。
    本音を言えば相手は逆上し、もっと尖った杭を打ち込まれ罵られて、反論することさえ面倒臭くなるでしょう。

    でもそれは仕方がない。求めるのは甘えだと思うのです。
    大きな宇宙の中で、人間は独りで生まれて独りで去っていきます。宇宙に対してゴミみたいなイザコザを抱えて悩んでも、見えない塵みたいな一瞬です。

    こんな返事を返すことさえおこがましい未熟な私ですが、相手を許せる大らかさを持つことが、これからの課題です。

  7. きんどん より:

    愛してる♪♭ とても♪♭勘違い勘違い ♂♂してない

  8. たそがれ より:

    >求めるのは甘えだと思うのです。
    大きな宇宙の中で、人間は独りで生まれて独りで去っていきます。宇宙に対してゴミみたいなイザコザを抱えて悩んでも、見えない塵みたいな一瞬です。
    >相手を許せる大らかさを持つことが、これからの課題です。

    管理人様のおっしゃるとおりと思います。
    家族の御蔭、ある意味「悟る」事が出来ました。
    組織でも、家族でも、最後はリーダーの「気持ち」次第です。
    如何に「許すか」(これはいかにも偉そうで好きではありません)つまり「自分の価値観に合わせてほしい」では無く、まず相手を「ありのまま受入れる、認める」と言う事だと解りました、お互いさまですね。

    「良い」「悪い」では無く、縁あって道中を同じくする身(命)です、今更過去はどうにもなりませんね。

    「人生は振り返る必要があるが、前向きに生きるしかない」
    (文章は違うかも?)ある人が言ったようです。

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