この連休、京都・大阪に食い倒れ旅行をしてきた。
下調べなし、行き当たりばったりの店に入ろうという無計画な旅である。
で、まずは京都編。
新幹線のホームに下りた途端、モアーッと全身を包み込む蒸し暑さ。東京よりも平均気温が3度は高いんじゃないかと思われ、額も背中も噴き出した汗でぐっしょりになる。
それでも一箇所ぐらいは観光をしようと世界遺産の二条城へ向かい、うぐいす張りの廊下でピヨピヨサンダル気分を楽しむ。庭園を抜ける頃には熱射病寸前。生ビールを求めて、逃げるようにタクシーに乗り込んだ。
つまみ食いを楽しむべく、京都の台所・錦小路へ。
香ばしい匂いに足を止めると、焼岩がき1個400円の看板にみんな足を止めている。老舗の魚屋『大安』が開いているカウンターバーだ。
10人も入れば満員なので長っ尻はできないけれど、牡蠣以外にも刺身や焼き魚など、小腹を満たすには便利な店である。
さらにそぞろ歩き。魚屋、漬物屋、佃煮屋・・と両脇を見ながら引き込まれたのは、京野菜の八百屋。
各コーナーに店主が書き添えてあるキャッチフレーズが面白い。「精力絶倫の山芋」、トマトには「頭のハゲは豊龍の龍」、「食べられるホオ月」の後ろには「食べられないほおづき」。遊び心満載の京野菜に思わず苦笑いする。
次は錦天満宮の手前を右折し、寺町京極の通りへ。
これしかないでしょ!と入ってみたのは、『スタンド』というレトロな食堂(居酒屋?)だ。
丸テーブルは仲良く相席、大理石の細長いカウンターではみんなTVのタイガース戦を向き、チーズを肴に呑んでいる。
エプロンをかけたおばちゃんに聞けば、もう80年もやってる店だとか。人気は「自家製コロッケ」のようだが、せっかく関西に来たのだからと「ビフカツ」と「鰻ざく」をオーダーする。ピタピタの牛肉を揚げたビフカツは絶対お勧めで、あっという間に平らげた。
お腹がいっぱいになっても、これからが夜本番。
川床料理にしようかと四条大橋に足を向けたが、鴨川沿いはどこも満席で、予約なしでは難しい。
歩いているうちに木屋町二条の路地を入り、「おばんざい一皿500円」という小料理屋「酣(たけなわ)」を発見した。
骨董の香りがするカウンターの中には麗しい女性が2人。
並んだ大皿料理から「さんまの生姜煮」「海老しんじょう」「自家製シュウマイ」を選ぶと、趣味のいい伊万里のお皿に盛り付けてくれる。後から聞いた話によれば、一皿何万円のコレクションらしい。
お客さんは殆どがジモティー。どこか面白いバーはないかと訪ねると、変わり者のマスターがいる店として、先斗町のジャイブバーを紹介してくれた。
ジャズやブルースのライブが聴けるという『STARDUST CLUB』。
大賑わいの先斗町で、四条大橋に近い大衆割烹の2階、アンティーク風の店内に入ってみたら、なぜか四畳半フォークのインディーズCDが流れている。
カウンターに座ると、首から上はソクラテス、下は岩城滉一風のマスターが怪訝そうにこちらを見た。怪しげなのはルックスだけで、話せばその気さくさ・適当さに惹きこまれていく。
美味しい店を訪ねたら、出る出る京都批判。
「豆腐料理なんて、日本全国どこの豆腐でも同じ」
「京懐石は、大きな皿にほんのちょっぴり料理が乗って、味も素っ気もない」
やがて若い女性3人連れが入ってきた。
「ここはジャズバーって聞いたんですが・・」
「はいはい、うちは今からジャズバーです」
四畳半フォークをすぐにジャズのCDに替え、カウンター客を端に追いやり、彼女たちをまん前に座らせる。カルアミルクの注文には、常連に近所のコンビにまで牛乳を買いに行かす。
やるね万年青年、鼻の下を伸ばしきった65歳!
その後何時にホテルに帰ったかの記憶はないけれど、次回はせめて2泊はしようと心に決めた京都の夜だった。
コメント
5年ぐらい前に突然一人で京都や大阪に旅してました。
まだカヤックに乗る前で、酒びたりのころでした。
また行きたいですね。
I’am わたしが HIGH SCHOOL STUDENT だった頃、
JAPNESE CITY 京都に憧れていした つまり、I WANT TO LIVE IN だったわけよ。
OH MY BABYたち!!! 分かるかな?
まさに、憧れの京都CITYが・・・。
tsune2
観光客は多いけれど、一人歩きするには何の違和感もない街ですね。
次回は本気で神社・仏閣めぐりをしようかな。
James Byron Dean様
京都大学の前を通りながら、とても羨ましかった。
下宿生活でもいいから、この地で学生生活をしたかったってね。
今からでも遅くはないんですが・・・、それはそれ(^_^;)