文章のコツは頭とお尻

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ブログを書くとき、最初の1行は簡単に出てくるのに、3~4行目あたりでキーボードがストップする。テーマは決まっていても技法で足踏みするのだ。

 

まず最初に悩むのが語尾。職業がらリズム感にこだわる私は、「~だ」「~だ」「~だ」のように、語尾が同じパターンで並ぶことが耐えられない。前に戻って何行か修正してでも、違う語尾を組み合わせることにしている。歯切れを良くするために好んで用いるのは体言止め。次にどんな文章が続くのかと自然に目が動く、余韻を持たせるテクニックだからだ。

 

次に悩むのが接続詞の使い方。論点を補足したいなら「なぜなら」、換言したいなら「つまり」、具体例を挙げたいなら「たとえば」等々、接続詞は文章の交通整理役である。起承転結の理にかなう接続詞を使わないと、右に行くのか左に行くのか、読み手の頭を迷路に追い込んでしまう。

 

数ある接続詞の中でも、なるべく使わないようにしているのは、主張を述べてきた後に「でも」「しかし」といった逆説を用いることだ。これは思考にブレーキをかけてUターンさせる大胆な技法であり、前振りが長ければ長いほど「今までさんざん振り回してきたのは何だったの?」と徒労感を与える。

 

「でも」「しかし」(話し言葉では「だって」「だけど」も含まれる)には、後に続く文章で自分を正当化したいという思惑が隠れている。それが万人の共感を呼ぶものなら良いが、得てして「逃げ」と見られることが多い。書き手の性格をよく知っている読み手なら「ああ、またやってる」と苦笑いしてくれるかもしれないが、初めての読み手には「我(エゴ)を通している」と見られかねない。

 

最後まで目を通して下さる方を不快にさせないためにも、否定文よりは肯定文。使いこなせる域に達するのは難しいが、逃げない文章を書くことが成長の証だ。
物書きのトレーニングとして続けているブログながら、過去を振り返ると稚拙すぎてデリートしたい記事ばかり。それでも自分への見せしめとして放置したまま、少しでも進歩しようと拙文を綴る日々である。

コメント

  1. 亀吉 より:

    いや、知らなかった。
    yurisさんでも色々苦労してるんですね。
    サラ~っと書いているもんだとばかり思っていました。
    いつも素晴らしい表現力に感服しています。

  2. yuris22 より:

    亀吉様

    ブログを書き始めた昔のほうが、むしろサラ~っと書けました。読んで下さる方が増えた分、ハードルが高くなっていきます。自分の職業を表に出している以上は責任がありますし、作品を完成させるのだという意識で書いています。
    今の心配はネタが尽きてしまうことですが、波乱万丈な人生ですから当分は持つでしょう。

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