エクソシストが必要な社会

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大阪・此花区のパチンコ店で起きた放火殺人事件。逮捕された容疑者の「誰でもいいと思った。通り魔みたいに人を殺したかった」の供述は、昨年6月に東京・秋葉原で起きた凶悪犯罪の再来のようだった。
そして放火という手口は連鎖的に広がり、ハローワーク職員を火だるまにした中国人女性、世田谷区で88歳の女性が亡くなるなど近辺で発生している連続放火と、まるで悪魔が犯人たちの心に次々と憑依しているかのようだ。

仕事がない、金がない、親が悪い、会社が悪い、国が悪い。人生に嫌気がさした。どうして自分だけ疎外されているんだ。楽しそうに暮らしている奴が許せない。ネガティブな悪魔は、刃の矛先を内ではなく外に向けさせて、人の運命をもてあそんでいる。

6月25日に日本記者クラブで行われた、麻生総理の「私の目指す安心社会」と題するスピーチ。「解散・総選挙の前にどうしてもやっておかなければならないことがあります。それが、日本の安心社会への道筋を国民の皆さんにお示しすることだと思っております。」として報告書を配布している。

謳われているのは、雇用を軸とした安心、切れ目のない安心保障、政府への信頼回復。
「近年の失業率の上昇や雇用格差を通じて、安心の基本は雇用であると明らかになった」と今さら感想を述べたところで、依然として景気対策は失業率を上げたままだ。
子どもから高齢者まで、人生に切れ目のない社会保障が必要だから「社会保障ハンドブック」を作って国民に配布すると言われても、本ではお腹の足しにはならない。
理想論より前に、今そこにある危機にどう立ち向かうかを国民は期待しているのであるし、この間にも悪魔は次の犯罪のターゲットを探している。

私事であるが、ブログの中で数回書いてきた継母の問題に糸口を見つけようと、東京都社会福祉協議会が出している『身寄りのいない高齢者への支援の手引き』を取り寄せた。福祉に関する書物であるのに価格は1,600円もした。

成年後見制度、福祉サービスの利用、財産管理、医療行為、逝去後など73項目のQ&Aに目を通して愕然としたこと。弁護士が著者であるからか、高齢者が資産を持っていることを前提に書かれているのだ。生活が苦しく、身寄りのない高齢者はどうやって暮らしていけばいいのか、しかも心を病んで自分の住所さえ明かさない高齢者の保護をどこに訴えればいいのか、何一つ引き出せなかった。彼女に憑依した悪魔は恨みつらみの牙を研いでいるというのに・・。

ラクイラ・サミットに出席している麻生総理のメルマガには、バチカンで法王ベネディクトに謁見したことが書かれている。
「日本の首相で、戦後、初めて法王に謁見したのが、私の祖父の吉田茂。私自身もカトリックです。法王とお会いするのは、あらためて身の引き締まる思いがしました。」

どうせなら悪魔払いの方法でも習ってきて欲しかったものだ。世界でごく僅かの国しか持っていない政府専用機で、億単位の費用をばら撒きながら行くほどのサミットなのだろうか。
帝国データバンクの2009年6月報によれば、全国企業の倒産件数は前月より22.4%の増加となり、不況の棒グラフは上がり続けている。

コメント

  1. 大熊ねこ より:

    こんにちは
    犯罪については私も思っていました。
    こんな言葉を犯罪に対して使うのは嫌なのですが、いわば流行のように一つ大きな事件が起きると、同じような事件が続きますよね。
    何かを起こしたいと心の底にある人が、その手があったか!と、先の事件に学ぶのでしょうか。
    悲しい事です。
    福祉や健康関係のマニュアルに対して、私もいつも心の中でツッコミをいれていました。
    それができりゃ苦労しないよ!と(–;)
    一日三食30品目をバランスよく、適度な運動と十分な睡眠‥それが出来ない人のために、『せめて』とゆう最後の手段が知りたいのに。。
    福祉もおくが深いです、同じ悩みの人は少なくないはず。
    私もアンテナをはってみます。

  2. まるこ より:

    こんばんは。

    そういえば、政府専用機は故障などがおきたときのために予備機が同時に飛ぶらしいですね。
    専用機でさえ贅沢な気もするのですが、2機も飛ぶなんて…(-“-;)どうなんでしょ?しかも、税金ですよね。
    その飛行機をなくして、その分の予算を毎年貯めておけば国民の困ってる人を何人救える?と思ってしまいました。(そんなに簡単なコトではないと思いますが…。)

    でも、取り憑いた悪魔の退治方法を完璧にマスターしてきたのなら許すカモ!?

    ユリさんがお読みになった本を書いた方に『続編 お金持ちではないお年寄りバージョン』を書いて欲しいです。
    世の中やっぱりお金だけなんですかね~!?

  3. yuris22 より:

    大熊ねこ様

    どうして安易に・・って言っちゃいけないけど、人を殺そうと思うでしょうね。そこまで追い詰めた社会はもっと非情なのに、マスコミは相変わらず犯人の親族や友人たちに取材して、似たような報道を繰り返すのみです。どこかでループを断ち切らなきゃ!

    国は社会保障を手厚くしてくれるなら、税金を上げたっていいと思うのです。ただし無職だろうが病気だろうが、死ぬまで面倒みて欲しい。それが福祉だと考えます。日本は国民のことを考える小さな国家でいいんじゃないかな。

  4. yuris22 より:

    まるこ様

    総理が海外に行くとなると、お付の方々の渡航費用がドーンとかかるんですよね。それで何の成果が出たのか、今回も引退間近の総理に花を持たせただけで期待薄です。
    いっそ江戸時代みたいに鎖国してる方が経済が潤うんじゃないかと思っちゃう。自衛隊には農業・漁業をやらせたら、食料自給率が上がります。
    あっ、その前に、金の亡者になった代議士たちを島流しにしないとね。もちろん手漕ぎボートで行ってもらいます。

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