貧乏神は臭いで分かる

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猫を飼い始めて気を配っていることは「臭い」だ。猫の排泄物はクサいと聞き及んでいたので、口コミで評判の良い「取り替えなしで1週間ニオわない」という針葉樹の木材を主原料にしたトイレを2箇所にセット。紙製の消臭シートを併用し、1週間どころか2日に1度は取り替えている。ファブリーズも常用品だ。

愛するペットなら臭いぐらい・・と言われても我慢がならない。それはペットのせいでなく、臭いに自覚がなくなるのは運を下げると思っているからだ。不潔でいることは金運を下げるというが、貧乏神は臭いと共にやってくる。

人生が上手くいっていない人間、特にお金に詰まっている人間は「匂い」でなく「臭い」に症状が現れる。強烈な加齢臭とでも言うべきか、口臭、胃臭、皮脂の臭い、煙草の臭いなどが交じり合って身体にしみ込んだ、シャワーを浴びても拭えないクサさである。傍に来られると顔を背けたくなるほどなのに、本人は慣れてしまったせいか気付いていない。

私の経験。音楽関係の会社を経営する40代の男性と、昔付き合っていたことがある。彼はミュージシャンとして桧舞台に立ったこともあったが、プライドと偏屈さが仕事を減らしていった。給料と家賃の支払いを何ヶ月も滞納。イタリアの高級車は車金融に入れ、キャッシングを返済しては借入れを繰り返す日々だった。

その彼が会うたびに、何とも言えない臭いが増していく。「お風呂に入ってる?」と聞けば、「忙しい」を理由に事務所からも出てこなくなった。思い余って訪ねていくと、ドアを開けた途端にプーンとすえた臭い。埃の積もった薄暗い部屋、灰皿や空き缶には吸殻が山となり、食べ残したコンビニ弁当が何個もビニール袋に突っ込んである。

電話機の横を見て「おやっ?」と思ったのは、メモ帳に女性の名前が幾つも走り書きしてあるのだ。金策に飽きた彼が電話していたのは2ショットダイヤル。ホテトル嬢を事務所に招き入れた形跡まで見つかり、私はその場で別れを告げた。彼の心身が自堕落という臭いに毒されていると思ったからだ。

一生懸命働いた汗やスポーツの汗はクサいとは思わないし、むしろ爽やかな印象がある。しかし口先三寸の胡散臭い仕事をしているような人間には、プンプンと不快な臭いがする。

調香師は自分の身体のニオいに敏感だという。仕事でも恋でも相手を嗅ぎ分けるために、まずはニオわない自分でいることが、運命の分かれ道に鼻が利く秘訣だと思っている。

コメント

  1. marie より:

    臭いから貧乏なるのか、貧乏になるから臭いのか・・・?
    私は正直、お風呂は好きであるが、掃除は好きではない。
    けれど、重い腰をあげ掃除を終えるとやはり気分が爽快になる。
    「病は気から」とか「気の流れを整える」と言った言葉があるように、清潔にして気分を整えるのは大事なんでしょうね(^-^)

  2. yuris22 より:

    marie様

    面倒だから今日はいいヤでいると、明日になり明後日に延びて、ほころびが広がっていくんだと思います。掃除、仕事、人間関係、人生と押しなべて共通することでしょう。
    小さなゴミは指一つで捨てられますが、溜まったゴミは湿気をおびて、ホウキや掃除機でも手こずります。それが人生に染み付いた臭いにならないよう、重い腰に「よいしょ」を言ってあげましょうね。

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