形骸化していく祝日

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まったりモードのシルバーウィーク。逗子の我が家はリゾートマンションなので、わざわざ渋滞の中に飛び込んでいく気は起きない。朝ごはんが終わってひとしきり走り回ると、与六はキャットタワーのハンモックでとろーりとろとろ。高い場所がよほど心地良いのか、最近は夕方まで眠ってることも多い。おかげで夜中には大運動会。飼い主の睡眠不足はいっこうに解消されずである。

ハンモック

台風一過の秋晴れ。下界では人の波が押し寄せてくる。ゆうき食堂のマスターは定休日を返上して「稼ぐぞー!」と腕まくりだが、カレンダーを再確認しながら首を傾げた。
「いったい何の祝日かなあ?国民の休日なんて前からあったっけ?」
祝日に挟まれた日は休日になることを説明する私も、敬老の日がいつの間に9月21日になったのかを知らない。

家に戻って改めて祝日法を調べると、敬老の日は9月第3月曜日、体育の日は10月第2月曜日・・、ハッピーマンデー制度を頭に入れておかなくちゃ、単に祝日が赤い数字のカレンダーでは意味が分からない。

連休が増えて、エコカー割引や高速道路の無料化と続けば、国民たちはどっとレジャーに繰り出す。生活圏が拡大し観光産業の活性化にもなるだろう。しかし敬老の日は家にお年寄りを置き去りにし、体育の日は運動会をサボらせて子供を旅行に連れ出す親もいるかもしれない。「○○○の日」とは、名目だけの祝日になっていくような気がするのだ。

祝日を旗日と呼び、玄関先に日の丸を飾る家は今どれ位あるだろう。テラスからレンズを向けて見おろす限りでは、一軒も見当たらない。律儀で懐かしい家を、ピーヒョロロと長閑に飛ぶトンビが見つけてくれることを願おう。

20090920

コメント

  1. こまちゃん より:

    「忘れることのないように」って、祝日に入籍したのに、、、
    悔しいから挙式の日を結婚記念日にしますた(泣

    歴史的な背景のある日なのに、政治家の人気取りの為に
    毎年変わったり、由緒ある地名が意味のわからない
    ひらがなに変わったり、少しは考えて欲しいですよね。

    まぁ、会社を経営する人でも従業員に意見を求めて
    挙げ句に「社員が馬鹿だから」なんてぇ時代ですからねぇw

    これからまともな時代になっていくことを祈りましょう。。。

  2. marie より:

    この景色を見ていたら、初めて逗子市に行った時を思い出しました。
    その頃は私がまだ小学校三年生。
    貧乏で、普段はなかなか服を買って貰えなかった私でしたが、春休みに行く旅行の時だけは祖母に服を買ってもらっていた。
    お気に入りの洋服を着て、逗子マリーナではしゃいでいた私。
    あの頃の悩みは、欲しい物がなかなか買ってもらえない事ぐらいだったように思います。
    今では欲しい物はある程度は手に入る時代。環境。
    けれども、それ以上に悩みは増えたと感じます。

  3. yuris22 より:

    こまちゃん

    ご主人が結婚記念日を覚えてるってこと自体が奇跡(・・って言い杉?)だと思います。私なんぞ、大学卒業後にほんの数年間の結婚生活を送りましたが、結婚記念日に友人たちとの飲み会に出かけた夫に腹を立て、プチ家出をした記憶があります。
    振り返れば今や、失われた祝日です(苦笑)

  4. yuris22 より:

    marie様

    新しい洋服をゲットする喜び、私も覚えています。子供の頃は母に縫ってもらうのが殆どでしたが、ドレメや文化の雑誌を端から端まで眺めては、「これが着たい」とおねだりしたものでした。
    父母が離婚してからは、そんな思い出話も出来なくなりましたが、ミシンって、幸せを紡ぎ出す魔法の機械だったなあと思います。

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