紙幣を喰らう山羊たち

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八ツ場ダムの建設中止方針を巡って、地元住民が激しく反発している。関連するニュースの中で「八ツ場ダム推進議連が地元住民と意見交換会」という記事が眼に留まった。

「自民党の県議らでつくる『八ツ場(やんば)ダム推進議員連盟』は24日、長野原町の八ツ場ダム広報センター『やんば館』で、地元住民らと意見交換会を開いた。会合には大沢正明知事や自民党の国会議員も参加し、改めて建設推進へ向けた活動方針を協議した。」(2009.9.25 02:13 MSN産経ニュースより引用)

そしてもう一つ、『八ッ場ダム報道でヤラセ発覚』の記事。
「民主党が公約に掲げた『八ッ場ダムの建設中止』に対して、ダム建設の推進を訴える中年男性や中年女性など地元住民の映像が各テレビ局のワイドショーや報道番組などで繰り返し流されているが、これらの地元住民が、実はダム建設推進に深く関わって来た長野原町の自民党系の町議会議員であったことが分かった。」
2009.09.24 きっこのブログより引用)

ニュースやワイドショーで何度も流された映像。涙ながらに「われわれ住民の気持ちはどうなる!」と訴えていた地元のオバサンが町議であり、しかもダム特別員会副委員長であったというのだ。それに同情するコメンテーターが視聴者の同情をさらに煽る図式は、ヤラセと言われても仕方ないだろう。

地元・群馬県の大沢正明知事はもちろんのこと、東京都・石原都知事も自民党。前原国土交通相を問答無用の水戸黄門だと強く批判する千葉県・森田知事と埼玉県・上田知事も自民党系だ。
しかも八ッ場ダムの建設に関わっている7つの公益法人と13の民間企業には、合計で46人もの国交省の天下りがいるという。また事業の基本方針を決定した検討委員会も、委員長から委員に至るまでそのほとんどが国交省の天下り。これから八ッ場ダム本体の工事が始まれば彼らの懐も潤うというものだろう。

そもそも八ッ場ダムは首都圏の水がめ確保と治水のために建設されるはずが、今や目的を逸脱し、利権の温床となっている。2004年には総予算を2100億円から4600億円へと引き上げ、75%完了したと言うのはダム建設のための付け替え道路や付け替え鉄道だけ。これからダム本体を作るには、計上した予算で足りるわけがないのは子供にだって分かる。

金の亡者になった資本主義社会で、私たちは何によって生かされているのか。森を伐採して動物たちを追いやった代わりに、紙幣を喰って生きていけるのだろうか。
政権交代により弱者でございと、山羊の皮を被った天下り&自民党。高額な彼らの餌は、もう国民の財布では賄えない。

ヨゼフ・パイオンの「おとなのひとにいってほしかった24のこと」(祥伝社)から「自分のことは考えるな」の一節を抜粋する。
「わたしのおしりがまだ青かったころ、自分のことしか考えていませんでした。しかし、ほんとうはそれ以上に考えなければならないことがあったのです。それは自分以外のことでした。自分以外、すなわち、まわりのひと、親、兄弟姉妹、友だちなど、そして動物のこと、草、木、花、自然と環境のことなどを、まず考えなくてはいけなかったのです。
なぜなら、自分はその中にしか住めないからです。まわりのことを考え思いやることができないで、自分のことができるわけがなかったのです。」

コメント

  1. ハラン より:

    自民党が良いとも思えませんが、
    かといって民主党にも不信感が・・・。
    マニフェストも結構ですが、その財源をどこから絞り出すのか疑問です。

    個人的には鳩山首相夫妻が今までの首相夫妻になく
    メディアにちやほやされていることも不思議で仕方ないです。
    特に奥様、まるで自分が政治家みたいな態度はどうにかならないのかと
    眉をひそめたくなるのは私だけでしょうか?

  2. ハラン様

    確かに出しゃばりすぎな部分が見受けられますね。特に下記のニュース。まるでお受験ママのようです。太陽をパクパク等の発言は自粛しているようですが、「いい気になるな!」と、今にバッシングの対象になる気がしてなりません。

    「鳩山首相が記者団に国連演説の点数を聞かれ、『点数はつけられません。途中から疲れてきたなと思ってね』とかわしたが、脇から幸夫人が『努力賞でございます』と“ズバリ”と採点してみせた。」(2009年9月26日08時09分 読売新聞)

    (続く)

  3. 国の財源に関しては驚く記事があります。これが本当だとすれば政官癒着の実態には呆れるばかりです。

    「毎年13~14兆円ある予算不用額(不良債権問題の解決はヤクザの殲滅から115、9.23)【民主の財源問題はほぼ解決?】 南青山」
    http://www.asyura2.com/09/senkyo71/msg/844.html

    抜粋すると・・
    独立行政法人99法人だけで、24兆円の余剰金がプールされている。毎年毎年、贅沢三昧・天下り三昧をしても使い切れなかったお金が24兆円。それを召し上げる法律改正を民主党が実行。

    民主党への政権交代直前の8月に民主党議員川内氏に財務省主計局からメールがあり、18年度と19年度および平成20年度の予算不用額(余ったお金)が示された。
    財務省が作ったデーターで正確であり民主党の追求と政権交代を見据えて財務省判断で提示された模様。
    『予算不用額』
    平成18年度 12兆8000億円
    平成19年度 13兆1000億円
    平成20年度 13兆9000億円
    この数字については9月21日のTVタックルで放送されたそうです。

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