リビングルームのクーラーが壊れ、新しいエアコンに買い換えた。窪んだ設置スペースに合う機種を探してネットで取り寄せたまでは良かったが、通常の取付け工事では済まないことが判明。エアコンの電源が造り付けのパネルヒーターの裏側にあり、それを取り外す大掛かりな工事が必要なのである。
管理人室に専門業者の連絡先を聞いて電話したが、何回かけても出ない。猛暑をどう乗り切ろうか途方に暮れていると、同じマンションの住人が「うちがやって戴いた業者さんをご紹介しますよ」と、助け舟を出して下さった。
スケジュールが詰まっている中、何とか日曜日の午後を空けてくれた電気屋さんは、もうひとり水道屋さんを連れてきた。しかし集中給湯システムからお湯が回ってくるパネルヒーターを前にして、取り外し方が分からない。管理人さんも呼んで循環システムについてのレクチャーを受け、床にへばり付き、汗だくのトライ&エラーが続く。
やっと外した重たいパネルを二人で外に出して水抜き。クーラーを外してエアコンを取り付け、またパネルを戻すまで、6時間にも及ぶ大工事であった。
外は薄暮。申し訳なさでいっぱいの私は、お財布を持ってウロウロする。配管からのフロン抜きと廃棄も含めて見積りは7万円位と聞いていたが、10万円を超しても喜んでお支払いするつもりだった。しかし電気屋さんは「すいません、請求書持ってくるの忘れたんで、後とからFAXでもいいですか?」と、逆に恐縮して帰っていった。
それから1週間して送られてきた請求書。驚いたことに見積り額よりも安い!すぐにネット送金して、こんなに良心的な業者さんを紹介して下さった知人に感謝した。
私たち消費者は、物を買う時、工事を頼む時、価格差で選びがちである。「もっと安くならないの」「おまけしてよ」と値切るのが当たり前になり、質が落ちたとしても「まあ、あの値段だからね」と諦める。でもそれじゃいけないんだと、今回の工事費をきっかけに気が付いた。
良心的な業者は手抜き工事で儲けようなんて魂胆はなく、自分たちに納得が行く結果が出るまで、心のこもった仕事をする。料金設定だって充分にサービスした値段なのだ。
デフレが続き、雇用率が下がる大きな原因は、消費者が安さを求め、それによって企業の売上げが落ちることにある。熾烈な価格競争をやめない限り、景気は上向きにならない。質の良いものには適正な価格を払うことこそ、国民も企業も豊かになる道ではないだろうか。
今日も記録的な猛暑。新しくなったエアコンにリモコンを向けるたびに、職人仕事のありがたみを感じるこの夏である。
コメント
なるほど!中近東ではエアコンが師勝問題な訳ですね。教科書では蒸留水システムと並び戦前のクウェートとの架橋でした…炎熱直中培われた技術ですね。東京湾岸に林立する高層住宅建設ラッシュ最中の職人の方の言では1日20件取付たとか豪語されていました。摩天楼の夜景の向こうにも“ちょっとちがう昼間のパパ”の勇姿も光っているのですね。但し温度センサーもエレクトロニクスです。いくら耐熱型とはいえパソコンに毛の生えた御承知の通り“体温相当の限界”あります。システムとも脆弱也。リアクターのn/gy値も鰻登る環境より水平線の彼方に“理想郷”はアルかも知れません。
PS.“気になるリアクター”豊岡 村松 50nGy/h 棚塩 52nGy/h 立石 88.9nGy/h
(またしても寝惚けて単位○nGy/hを ×n/gyと書いてしまいましたことを訂正してお詫び致します。m(__)m)
muha様
1日20軒のエアコン取り付けは凄い!スーパー職人の技です。
東京湾といえば、埋立地に地震が来たら怖いですね。今朝の千葉北東部M5.3で虚脱感はかなり和らいだんですが(単に風邪が抜けただけかも・・)、まだ肩のあたりに残ってます。そろそろ雨で地熱を冷まして欲しいものです。
うちも昔、あの業者さんに大工事してもらったのですが、ほんと、男気があるんですよね。。。他の部屋のクーラーも早く寿命こないかなぁ・・・なんて思っちゃいますよ。
ムフフ・・・今度お茶飲みがてらお遊びにいらしてください!(^^)!
菜多里様
お誘いありがとうございます。楽しみにしております。