自粛や節約とは違う国民心理

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日本は大震災の影響で、今年3月の消費支出はオイルショック時より悪化したという。どの局のニュースでもそれを安易に「自粛」と結びつけ、背景にお花見自粛の映像を流していた。電力不足を解消するため石原都知事が花見の自粛を呼びかけた時期もあったが、消費支出のダウンはもっと根深い要因があると思う。

消費者意識を目の当たりにした出来事があった。嵐でプランターの花が全滅したので、ガーデニングショップに新しい苗を買いに行った時のことだ。ぐるっと見渡すと何故か色彩が乏しい。それもそのはず、花の苗は片すみに追いやられ、売り物の殆どがトマト、キュウリ、ピーマン、シシトウ、ハーブなど家庭菜園の苗に代わっていた。何が起こったんだろう。

逗子は湘南や三浦産の野菜が豊富なので、野菜価格が高騰したわけではない。放射能が怖くて売り物の野菜が買えないのが原因なら、庭やベランダの家庭菜園だって安心とは言えない。そもそも野菜と自粛ムードは接点が見つからないし、大震災のせいでいきなり世帯収入が激減したとも思えない。

しかし消費支出悪化は野菜だけではなく、リーズナブルな衣料品のユニクロだって売上げが落ち込んでいる。都心の高級ブランドショップに至っては、中国・韓国からのお客が途絶えて風前のともしび。日銀の白川総裁が言う「東日本大震災や原発事故の影響で経済成長率が落ち込んでも、今年は0.6%のプラス成長を維持する見通し」なんて、小学生だって信じないだろう。

リーマンショック以来、国民は節約を心がけたし、エコ生活を流行語にした。美しく慎ましく頑張ってきたところに、地震と津波と原発事故のクライシスが一気に襲いかかり、「もう終わりだ」の世紀末思想に陥ったのだと思う。着のみ着のまま津波から逃げ、避難所で1か月半経っても先の見通しのない被災者たちの映像を毎日見ていたら、新しいお洋服で街を歩こうなんて気になれるだろうか。

明日は原発がブッ飛ぶかもしれない。関東大震災や東海地震が来るかもしれない。買占めではなく備蓄をし、しばらくは食い繋いでいける家庭菜園を作り、箪笥の肥やしだった衣料品は段ボール箱に詰めて被災地に送る。お金の生き方を知っているから、被災地への義捐金は惜しまずに送る。

大震災以来、見聞きするものは想定外ばかりで、政府は嘘ばかりだ。結局最後に残るのは身体一つだと追いつめられるからこそ、禅僧のようにシンプル・イズ・ベストの心境になる。消費支出の落ち込みは、自粛でもなく節約でもなく、絶望感・厭世感がもたらす集団心理のように思えるのだ。

夫婦で一名様12,000円のしゃぶしゃぶを食べる菅首相は、福島で餓死していく牛たちの断末魔の涙を知っているのだろうか。それがいつかは国民の涙になる。何もいいことがない間に、東日本大震災から四十九日が過ぎた。

コメント

  1. S より:

    私は不遜にも、「地震酔いする人」っていうのは「思い込みの激しい可哀そうな人」だと思っていた。だけど、下の<強震モニタ>を見ると、単に「感覚が鋭い凄い人」なのかもって思った。

    http://www.ustream.tv/channel/nied-kyoshin01

  2. yuris22 より:

    S様

    5円玉を糸でぶら下げたのを眺めていると、揺れが続いているのが分かるらしいですね。最近になって気象庁は震度1程度の微震の発表を再開したようですが、それだけ余震が減ってきたってことでしょうか。でも油断は禁物。備えあれば憂いなしのスタンスはキープです。

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