半年ぶりに美容室へ行ってきます

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カリスマ美容師という言葉は死語になったけれど、3ヵ月先まで予約が取れない美容師さんのキャンセル待ちが取れて、明日行ってくる。ヘアアーティストしてトップの座に君臨していた彼はハードワークで身体を壊して引退。2年ほど音信不通だったが、昔のお得意様だけに個人営業を始めたところ、都心から外れた不便な場所であるに関わらず、前よりはるかに忙しくなってしまった。でもどんなに待とうと絶対にお願いしたい理由がある。

昨年の秋、地元の美容室でカットして貰ったのが大失敗で、カチューシャや輪ゴムで髪を押さえつけなければ外に出られない悲惨な髪型になった。おしゃれする気が失せて落ち込んでいたところに、くだんのカリスマ美容師から「1人で仕事を始めました」との電話。ねじこんで予約が取れた12月、ボロボロの髪をなんと6時間もかけて復活させてくれたのである。

そんな奇跡の腕を紹介してくれたのは、突然亡くなってしまった著名スタイリストのTさん。ずいぶん前に恵比寿のバーで隣り合い、仲間由紀恵っぽい髪型を平安時代の「おすべらかし」とけなされたのは大ショックだった。その場で美容院のブッキングまでされて、生まれて初めてのデジタルパーマをかけたのは4年前のブログに書いたと思う。

それからも度々カウンターで隣り合って飲み友達に。二の腕はプヨプヨしてお顔の輪郭も崩れていたTさんだったけれど、無造作に見えて計算しつくした髪型にいつも憧れていた。身寄りのいない店主が急逝した際に率先して片付けに現れたとき、よれよれのTシャツとジーンズのオーバーオールという服装なのに、まとめた髪には真っ赤なカメリアのヘアアクセがひとつ。かつて名を馳せたメイクアップアーティストだった店主が惚れ惚れと、空から「素敵ねえ」褒める声が聞こえた気がした。

Tさんみたいにヘアアクセひとつで小粋な女になりたい。スティック一本でくるくると髪が束ねられたらどんなに大人の女なことか。しかしメイクにしろヘアアレンジにしろ不器用すぎる私は、何を買っても箪笥の肥やし&猫のおもちゃなのである。

ヘアアクセサリ
あいにく明日の天気予報は雨。何時間もかけて手入れして貰った髪は、逗子まで帰ってくるまで持つかどうか。それでもどこかのバーによって、もしかしたら誰かが「あれっ、なんか変わった?」と言ってくれたら幸せである。その時には天国のTさんへ「どうよっ!」と、スコッチの一杯など手向けることとしよう。

コメント

  1. marie より:

    髪型一つで気分は変わりますよね。
    私自身、20年ぐらい同じ美容室に行ってて、何度か浮気もしましたが、やはりそこに帰って来ました。
    化粧品と美容室は余程の事がない限り浮気するものではないと思いました。

  2. yuris22 より:

    marie様

    美容室の浮気は仕方ないですよね。人間は飽きる動物なのですから、余所にチャレンジして失敗して戻ってくるのが常でしょう。なんだか夫婦みたい(笑)

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