音楽に年齢はない

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昨日は新横浜のピアノバーで今年最後の忘年会。編曲家である林雅諺先生の傘寿を祝う会があり、全国から多数の音楽関係者が集まった。林先生は編曲を教えることでは日本の草分けであり、生徒たちには著名な作曲家・編曲家・演奏家が名を連ねている。

林先生を囲む会
新宿にあったヤマハ作編曲教室に私が通い始めたのは高校3年のとき。銀座ヤマハの音楽ディレクターに「ここで作曲を習いなさい」と連れて行かれ、4~5人の生徒が楽器を弾いて録音をしているスタジオに放り込まれたのがきっかけだ。片隅でボーっと見ていたら「君、キーボード弾ける?」と林先生に声をかけられ、初見で演奏に参加。そのまま生徒となってしまった。

そして翌週の授業でビックリしたのは、みんな作曲が出来て当たり前。既存の曲にアレンジを加える編曲を習うための教室だったのである。しかも終わればすぐに「さあ、飲みに行こう!」と先生の号令が掛かり、セミヌードのお姉さんが踊ってる店やらテキーラを一気飲みするメキシコ料理店やらへ出動。私は大学の推薦入学は決まっていたものの、まだ高校生だとは言えないまま新宿の夜をうろついたのであった。

やがて私は詞を書く方へと道が外れてしまったが、あれから何十年経っただろう。昨日は「作編曲東京」の立札があるテーブルに座り、懐かしい用語が飛び交う音楽談義やジャムセッションを聴きながら、みんな幾つになろうと心は青春時代のままでいることが分かった。

ジャムセッション
ちなみに私の前に座っていたのは「サザエさん」や「宇宙皇子」の音楽を手がけた河野土洋さん。CM音楽の巨匠でもあるが、驚いたのは公共広告機構のサウンドロゴ「エーシー♪」(AC)を作った本人であること。東日本大震災のあと民放テレビでどれだけ耳にしたことだろう。これまでに作った企業のサウンドロゴは1,400個ぐらいになるそうで、今は東工大で作編曲を教えていらっしゃるという。

しかし何より驚いたのは林先生の若さ。記念撮影をして私の右隣に写っているのが御年80歳を迎えた先生だが、チョイ悪オヤジな喋り方は健在だし、背筋はシャンとして皺もない。「あと5年したら俺の方が老けるなあ」と同期生の1人がポツリ呟いた。

ヤマハ作編曲教室東京メンバー
「音楽に国境はない」という言葉に加えて、断言できるのは「音楽に年齢はない」。ユーミン、桑田圭祐、矢沢栄吉、長淵剛・・・等など、第一線で輝き続けるアーティストたちの若さの源が何なのかを悟った会合であった。

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