彦星

広告
作詞・コピーライト・文章

書き下ろし短篇『私のこと、愛してる?』

「お綺麗ですよ。またお待ちしております。」 元気な声に見送られて、いそいそと美容院のドアを開けた。駅に向かって花柄の傘をポンと開けば、七夕の夜はもう3日も続いた雨降り。今夜のデートに向けて巻き髪にしてもらったのに、いくら傘の角度を変えても...
作詞・コピーライト・文章

書き下ろし短篇『君とアキタと七夕の夜』

今日は朝から緊急事態。会社に遅刻の電話を入れて、僕は慎重に車を走らせている。後部座席には青ざめた表情の君と、膝の上には苦しそうな息遣いのアキタ。動物病院まであと少しだから頑張ってくれよ。そう、アキタってのは君の大事なペットの秋田犬だ。 ...
作詞・コピーライト・文章

書き下ろし短篇『アラサー女子と天気予報の彼』

金曜日の残業が終わったオフィス街。まっすぐ帰るのは淋しいので電車のガード下を歩き、赤提灯の焼き鳥屋さんに寄った。食欲をそそる芳ばしい煙が立ち込める店内はサラリーマン男子で超満員だ。「おう、いらっしゃい! そこのお客さん、ちょっと詰めてあげて...
作詞・コピーライト・文章

書き下ろし短篇『織姫と彦星が会えない理由』

今年もクラス会の案内状がポストに届いた。 田舎の高校を卒業して10年も経っているというのに、僕ら3年C組の結束は固い。集る日が覚えやすいように七夕に近い週末をその日と決めて、「七夕会」という名前を付けた。 新幹線からローカル線に乗り...
広告
タイトルとURLをコピーしました