作詞・コピーライト・文章 書き下ろし短篇『7月6日の洗車雨と七夕の催涙雨』 小学校と職場に向かう家族を送り出した後、ルーティーンの家事を終えればホッと一息の時間。ベランダに干した洗濯物はお昼過ぎには乾きそうだ。麦茶を飲みながらテレビをつけると、天気予報のコーナーでクイズをやっていた。油断すればすぐ雨に降られるこの季... 2023.07.07 作詞・コピーライト・文章
作詞・コピーライト・文章 書き下ろし短篇『七夕の夜。人生にツイてない僕でも一人じゃなかった』 七夕飾りで有名な街で育った僕は30代前半。 勉強は嫌いじゃなかったが、シングルマザーの家庭で貧しかったから大学には行けず、高校卒業後は大手飲食チェーンの居酒屋に就職した。ファミリーレストラン勤務で忙しい母に代わり、夕食の支度は小学生の頃か... 2021.07.07 作詞・コピーライト・文章
作詞・コピーライト・文章 書き下ろし短篇『天の川と三途の川』 昨日からの雨は土砂降りになり、傘を斜めにかかげてもずぶ濡れの午後5時。 馴染みのカウンタースナックに駆け込むと、お客はいなくてテレビだけが喋っていた。 東京から小一時間の地方都市。娘時代から家業の飲み屋を手伝ってきたママは50歳を過ぎ、... 2020.07.07 作詞・コピーライト・文章
作詞・コピーライト・文章 書き下ろし短篇『シングルマザーと息子との三角関係』 今年の七夕は日曜日。付き合って2年になる恋人からホームパーティーのお誘いを受けている。集うメンバーは3人で、彼女、僕、そして小学校3年の星彦くん。年上でバツイチの彼女が溺愛するクソガキ・・じゃなかった一人息子だ。外でデートするのは楽しいけれ... 2019.07.07 作詞・コピーライト・文章
作詞・コピーライト・文章 書き下ろし短篇『平均寿命100歳まで生きる私の恋愛』 2045年には平均寿命が100歳に到達すると、世界の研究者の多くが予測してるという。その頃は後期高齢者となっている自分を思い浮かべながら、今日が50歳の誕生日。占いによると7月7日生まれの女性は愛情深く、同時に多数の事柄を進行できる器用さを... 2018.07.07 作詞・コピーライト・文章
作詞・コピーライト・文章 書き下ろし短篇『七夕飾りの黄色い輪』 「うちの子、来年からは小学生なのよ。1LDKの借家から引っ越して、子ども部屋のあるマンションを買いたいと思ってるの。ほんとは専業主婦でいたいんだけど、早く頭金を貯めたいからね。主人と一緒にプランを練りながら働いています。もうすぐ課長に昇進す... 2017.07.07 作詞・コピーライト・文章
作詞・コピーライト・文章 書き下ろし短篇『雨がくれた贈り物』 まだ梅雨が明けない7月の夜は蒸し暑くて寝苦しい。仕事関係の飲み会で酔っぱらい、終電で帰宅できたのは良かったけれど、ハッと目覚めるとネクタイをしたままベッドに転がっていた。また、やっちまったか。 干からびた喉を潤そうとキッチンに行くと、蛇口... 2016.07.07 作詞・コピーライト・文章
作詞・コピーライト・文章 書き下ろし短篇『私のこと、愛してる?』 「お綺麗ですよ。またお待ちしております。」 元気な声に見送られて、いそいそと美容院のドアを開けた。駅に向かって花柄の傘をポンと開けば、七夕の夜はもう3日も続いた雨降り。今夜のデートに向けて巻き髪にしてもらったのに、いくら傘の角度を変えても... 2015.07.07 作詞・コピーライト・文章
作詞・コピーライト・文章 書き下ろし短篇『君とアキタと七夕の夜』 今日は朝から緊急事態。会社に遅刻の電話を入れて、僕は慎重に車を走らせている。後部座席には青ざめた表情の君と、膝の上には苦しそうな息遣いのアキタ。動物病院まであと少しだから頑張ってくれよ。そう、アキタってのは君の大事なペットの秋田犬だ。 ... 2014.07.07 作詞・コピーライト・文章
作詞・コピーライト・文章 書き下ろし短篇『アラサー女子と天気予報の彼』 金曜日の残業が終わったオフィス街。まっすぐ帰るのは淋しいので電車のガード下を歩き、赤提灯の焼き鳥屋さんに寄った。食欲をそそる芳ばしい煙が立ち込める店内はサラリーマン男子で超満員だ。「おう、いらっしゃい! そこのお客さん、ちょっと詰めてあげて... 2013.07.07 作詞・コピーライト・文章
作詞・コピーライト・文章 書き下ろし短篇『七夕飾りの短冊と女心』 僕: 今年の七夕は土曜日。生まれた時から都会のマンション暮らしで、天の川も見たことのない一人娘のために、久しぶりに僕の実家に帰ることを計画している。車で5時間の不便な田舎だけど、田んぼではカエルが合唱し、小川では蛍が光の輪を描く風景は変わ... 2012.07.07 作詞・コピーライト・文章
作詞・コピーライト・文章 書き下ろし短篇『一個残しと以心伝心』 僕の仕事カバンの奥ポケットには、一通の擦り切れた封筒が入ったままである。中身は離婚届。それは5年前の7月7日、妻であった君から合意のサインを貰った緑の用紙だ。役所に提出しようと思いながら、何度も冬が来て春が来て梅雨が来て、そして5回目の七夕... 2011.07.07 作詞・コピーライト・文章