仕事のやり取りは9割がメールの我が社で、数年ぶりにFAX受信の音が鳴りました。「強化対策資金」というペラ一枚の文書は、下の文章で始まっています。
「平素からお世話になっております。このたび緊急支援策として、中小企業様・個人事業主様を対象に『強化対策資金』を実施致します。貴社様におかれましては下記条件にて与信回答が出ておりますのでご検討ください。必要書類を添えて利用申込をいただけましたら直ぐにご利用ただけます。」
新型コロナウイルスの影響で各企業の資金繰りが困窮している中、もしかして行政機関から届いたのかと思いましたが、問い合わせもしていないのに「与信回答がでております」は有り得えません。でも「〇〇〇〇御中」と我が社の名前が入っていたので、どこかの金融機関から送られてきたのかなと思いました。
与信結果は融資設定枠が1,500万円。利率が年 1.06%、返済期間が10年だったら、今すぐ申し込みたい企業だってあるでしょう。しかも担保不要となっています。
しかし発信人の欄を見たら、詐欺のにおいがプンプン。これって闇金じゃないのかな。固有名詞はボカシましたが、株式会社のあとに続くのは日本最大級の転職サイトのカタカナ名でした。この会社は新橋に本社があるはずなのに、なぜか住所は練馬区。Googleマップを見たら、2階には家族の洗濯物が干された個人宅で、日本舞踊のお教室名が出ていました。詐欺FAXに住所を晒されてお気の毒です。
不思議なのはホームページ。SSLされたサイトがあるんだ?とURLを入力したところ、空白の画面が表示されるだけです。Who is検索をしたら、ドメインを取得したのは2020年3月19日。ホスティングはアメリカのサーバを使用しています。これからホームページを開設する気かもしれませんが、騙される会社が出ないことを祈りたいです。
友人の弁護士から聞いた話だと、このやり口は審査料や供託金を要求してきて、結局は融資など行われません。不正口座に多額の手数料を送金したとたん、連絡が付かなくなるそうです。
強化対策資金は今に始まったものではなく、国の認定を受けた全国の認定経営革新等支援機関が行ってきた制度。直近の新型コロナに関しては「新型コロナウイルス感染症対策資金」が始まっています。東京都の例では東京都産業労働局が取りまとめている「新型コロナウイルス感染症対応緊急融資」と「新型コロナウイルス感染症対応緊急借換」があります。
混雑している窓口まで足を運ぶのが難しかったり、ネットで情報を得られない人に向けて、闇金がFAXを送りつけているのだと思いますが、050のIP電話番号は安いため、広告の大量配信や振込詐欺に使われることが多いのす。害はあっても利することはないので、受信拒否にしておくことをお勧めします。
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