水道水が飲める贅沢

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蛇口をひねれば当たり前に出てくる水。
日本の水道水は安全でおいしいと聞きながら、飲用にはミネラルウォーターを購入している自分。それがとんでもない贅沢であり、水道水があること自体恵まれているのを、『無医療地帯ネパールの少女』というテレビ番組の録画を見て知った。

これはテレビ東京で8月27日に放映された『100円玉に愛をこめて~世界の子供たちのために』で紹介されたネパールでの取材。
この国は1人当たりの国民総所得が1年につき3万円と、南アジアで最も貧しい。しかも5歳未満の死亡率は1000人当たり59人(日本の15倍)。子供たちを死に追いやる原因は、トイレの普及率20%、下水システムは存在しないという劣悪な衛生状態によるものだ。

取材の対象となった村落では感染症が広まり、ポリオ(脊髄性小児麻痺)にかかった子供も珍しくない。子供たちの殆どはスカビーズという強烈な痒みのあるウィルス性皮膚病にかかっているが、治療するにも簡易保健所は歩いて1時間半の距離。ましてや病院はインドまで行かないとない。

この村に病気がはびこった原因は不衛生な井戸水。深く掘ることができないため、牛や人糞などの雑菌やヒ素が混入し、見た目にも黄色い泥水状態なのだ。

彼らに安全な飲み水を提供しようと、東京の看護学校の生徒たちが100円玉募金に協力し、28,100円が集まった。村に届けられたのは有機ろ過式浄水器が3台。
透明な水が出てくることに驚き、「おいしい!」「うまい!」と笑顔を向ける村人たちを見ているうちに涙が出てきた。申し訳なさと恥ずかしさがこみ上げる。

東京のちょっとしたレストランで飲食すれば、一晩で消えてしまう金額。しかもテーブルにはピカピカのグラスに注がれた水が置かれ、今年のボジョレーヌーヴォーは美味しい不味いと談義する。その間にもどれだけの子供たちが1杯の安全な水を欲しているだろう。

私が属している奉仕団体では、ネパールに循環型トイレを設置するプロジェクトが進行中であり、来年には人口700人の村に貯水庫を設置するプロジェクトも推し進めるという。微力ではありながらも協力できる場があることにホッとした。

2025年までに全世界人口の3分の2が水不足の危機に陥るだろうと言われている。
日本は水に恵まれた国。しかし莫大な食料の輸入は、世界の水を使うことに繋がるのを自覚していない。いつかは他人事ではなくなる危機は確実に迫っている。

コメント

  1. muha より:

    いいつたえに「柄杓一杯の水」の御礼に旅人が井戸をみつけてあげるというものがあります。そのこころを受け継がせたく思います。ありがとうございます

  2. 風小僧 より:

    私もTVで見た事があります。
    1年のある期間は川が出来る場所も渇水する時期がきて遠くまで水汲みに行く小学生くらいの女の子の映像でした。この仕事がある以上学校には行けないという子供でした。また、汲む水も茶色の水です。上澄みだけでも汲もうと思っているようでした。
    学校があっても家族の生活の為に行けない子供もいることを知りました。
    yurisさんのお考えや行動には頭が下がります。
    私も頭の上の蠅を追えないようではダメですね。もっと視野を広げるように心がけます。

  3. yuris22 より:

    muha様

    このドキュメンタリーの少女から出てくる言葉は「楽しい」「大好き」・・とポジティブなものばかりでした。
    貧しくても心はとても豊かなのです。
    彼女には星の金貨が降ってきて欲しいと思います。

  4. yuris22 より:

    風小僧様

    いえいえ、私なんて大したことは何もできません。
    それでも水を一杯飲むたびに彼らのことを想えば、協力してあげたい気持ちが高まります。今は始まりの一歩です。

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