無駄に頑張らない職業

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詞を書くにあたり、どこからイメージを拾ってくるのかと聞かれる。一番多い質問は、「綺麗な景色を見たときに言葉が浮かんでくるんですか?」だが、答えはノーだ。
例えば海をテーマにするからといって、いちいち夕暮れのビーチを散歩なんてしないし、ご当地ソング(・・って懐かしい響きだな)を頼まれたって取材になんか行かない。本やネットで情報を集めるだけで充分だ。

 

それじゃ正確な情報が得られないでしょと言われても、論文やコラムを書いているわけじゃない。むしろ人がどう思うかを気遣った作品は平凡になりがちだ。私の心にある海は青でなくて紫かもしれないし、突然変異のズレた感覚のほうを採用したいと思っている。

 

ボキャブラリーを増やすために本や雑誌も読むが、最も多く活用するのは類語辞典。今の作詞は殆どがハメコミ(先に出来ているメロディーに歌詞を付ける)なので、音符の数に合致する言葉が必要になるからだ。例えば「森(もり)」じゃ音符が1つ余る場合は、「森林」のジャンルから「木立ち(こだち)」を選ぶ。
重い本を開かずとも、今はYahoo!Japan辞書などオンラインの無料辞書サービスがあるし、類語.jpという有料サイト(株式会社言語工学研究所)なら同義語、広義語、狭義語、関連語、反義語まで広く検索できる。パソコン一台で本当に楽になったものだ。

 

で、要するに何が言いたいかって? 怠け者の私には作詞業が天職だってことである。これが法律家だった分には、冷や汗をかきながらお詫び行脚をしていることだろう。ちなみに作詞家になる前は、損害保険代理店やら飲食業やらもチャレンジしたが、資格を得ただけで努力はモノにならなかった。

 

巡りあう時期は別として、誰にでも天職・適職はあるはずだ。天職に到達するまでの迷路は人それぞれで、プロゴルファーの石川遼のように10代でゴールする人もいれば、袋小路に阻まれたまま一生を終わる人もいる。不公平かもしれないが、巡りあったらラッキー。自分のツキを信じて、最小の努力で最高の効率を上げるのが、次なるステップだと思っている。

 

だから私は頑張らない。いや正確に言えば、無駄に頑張らない。地面だけ見つめて過労死するアリになるよりは、空を仰ぎ今日を楽しむキリギリスでいたい。年金制度だって破綻するかもしれない世の中。印税が厳しい冬の蓄えになるよう、缶ビール片手に言葉を紡ぐ猛暑の午後である。

コメント

  1. m*ha より:

    こんばんは
    天賦の才能を最大限に発揮なさっていらっしゃるということですね自己啓発(私見ですがあまり好ましく思えない語彙ではないかと?)の賜物なのでしょうか「美しき青きドナウ」と似た感覚もしました閑話休題
    織田先生確かスマトラ地震に遭難されてかと本日NZ(M7.8)発震がありました 前回も その3日後にスマトラ発震したのだそうですが先生 何か当時予兆前兆に記憶ございましたら お教え願えれば幸いです 今回「与六くん」という味方も…動物性本能的避難行動とるか追跡調査に期待致しております では

  2. yuris22 より:

    m*ha様

    心配です。こんなものじゃない地震が来るかと・・。実は今日の空に、沢山のレンズ雲が浮かんでいました。でもサイズからして国内の大地震に結びつくものではないと、逃げの解釈をしました。何故なら経済危機に見舞われた先進国を大地震が襲うはずはなく、自然のままに暮らす国に災いを及ぼすのが神様の試しだからです。もう遅いかもしれませんが、「同胞を愛せよ」と世界の指導者たちの目を開かせたいのでしょう。北朝鮮も然りです。

    猫の与六は至ってのんびりです。今もパソコンに向っている私の足元で、ゴロゴロと目を細めて寝そべっています。ただし私は「来るなよー!」と、待機している地震を叱り付ける毎日。どうしてここまでペットが飼いたくなったのか理解不能な昨今ではありますが、愛すべき命を守るように、心の柔らかさを保てと命じられたのかもしれません。

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