マスターズチェア

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古き良き時代のアメリカ映画で、主人が常に座っている椅子がある。それがマスターズチェア。日本なら家族で囲むコタツで、お父さんが選んだ座布団だ。

うちのリビングには場違いに等しい、イタリアの高級家具カッシーナ(cassina)のソファーが置いてある。ニューヨーク近代美術館にもコレクションされているマラルンガ(Maralunga)という、背もたれが自由に調節できる皮のソファーである。
半月型の台座に乗った、向かい合う角度を調節できる三人がけと、どっしり深々と座る1人がけ。座るのに尻込みしそうな家具をなぜ買ったかは、時々ブログに乗せている、今は亡き恋人の勧めだった。「応接セットは家主の顔だ。車と同じぐらいの値段のものを買え」と、某有名結婚式場の御曹司だった彼がアドバイスしてくれたのだ。

青山のカッシーナに行ったのはクリスマスイブで、体調が悪かった彼が「今日なら大丈夫」と車を走らせた。私は大塚家具でも敷居が高かったのに、ショールームをジーンズで堂々と歩く彼は「絶対にこれがいい」とマラルンガを選び、しかも色まで特注して値引き交渉をした。

カッシーナのソファー
カッシーナの応接セット

カッシーナにはいわくがあり、7月11日の日記に書いた友人が「次に買うときは私に言ってよ」と念押ししたブランドである。彼女がセレクトしたバリのインテリアグッズが置いてあり、シャンパン・パーティーにも呼ばれたのだが、その当時は亡くなった彼を思い出すのが辛くて欠席に○をした思い出がある。

前置きが長すぎたけれど、テーマはマスターズチェア。「それは君が座る場所だよ」と、選んでくれた彼さえ遠慮した特等席。確か100万円近くした、家主がふんぞりかえるべき椅子に、貧乏根性の私は座れない。オットマンとして並べてある足のマッサージチェアを使う時だけ(それも滅多にないけれど)、もったいなげに腰をおろすのみだ。

ところが昨夜、テレビを見ていたらガサガサッと音がした。見ると子猫の与六がマスターズチェアによじ登り、たたんで置いてあるひざ掛けの上で気持ちよさそうにまどろんでいる。ど真ん中でなく端っこに寝そべっている姿には、コラッ!と叱る気にもなれず、起こさないようにこっそり携帯で写真を撮った。

3年間かけて家主が出せなかった勇気。君はいちばん気持ちのいい居場所を選ぶんだね。与六にかける言葉は「座ってくれてありがとう」である。

与六1
与六2

コメント

  1. m*h* より:

    こんばんは
    “Cassina”
    “キャッ”“イイな”たしかに…たしかに…Furnitureッテつかいこむほどにあじもでてくるものですね“Leather”ッテとくに…つかわないとかわいていたんじゃう与六くん…なんて果報者なんでしょうね
    きのうたまたま真っ白で小顔の猫みかけたら猛スピードで逃げてた与六くん…運動させていますか?足速いの?猫のこといえませんが(アレッ…猫だっけッテ)

  2. yuris22 より:

    m*h*様

    与六を連れてきて下さったブリーダーさんが、皮のソファーを見て「これは危ないかも・・」。すぐにその場で爪を切ってお帰りになりました。幸いなことに与六は爪トギトギせずに、ゴージャスな猫のごとく偉そうにふんぞり返って座っています。

    運動はスゴイですよ。飼い主の移動に合わせてドドドッと階段を上り下りしています。足の下を走り抜けていくので、踏んじゃわないか心配なくらいです。最近は行く場所を察知して先回り。「おぬし、できるな」と言うと「ニャー!」。得意そうな顔がますます可愛くなる親バカです。

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