人間関係をぶち壊す「ご注進」

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人間関係でトラブらない秘訣として大切なこと。「自分のして欲しくないことを人に対してしない」。自慢とか陰口とか、特に駄目なのは「ご注進」だ。心が揺れると文章書きの仕事が手につかなくなる私は修行足らずかもしれない。

ある店主が企画して、毎年参加してきたお花見に今年はお誘いがなかった。それは向こうの理由なのだから致し方ないけれど、不快だったのは今夜の電話。メールでお誘いを受けたという女友達から「どうして行かないの?」の質問のあと、「貴女の事をひどく悪く言ってたよ」とのご注進があった。しかし詳細を聞きたいとは思わず、「それを聞いて私が嬉しいと思う?」と、心をフラットにするために冷静な返答をした。

あんなに仲良くしていた店に正月明けから全く行っていない。その理由は私に下心を持つ男友達からご注進された「店主は二枚舌だよ」だった。信じてきたことが全て嘘っぱちだと言う。「お人よしのゆりちゃんは利用されてたんだよ」と嘲笑され、今まで築き上げてきたはずの友情がガラガラと崩れ落ちた。余りにも腹が立って店主に直訴したが、またそれを覆すために私の陰口を言いに行く男友達は、金の力で自分を正当化するデタラメを繰り返した。

しかしウダウダと人間関係に揉まれている暇はなく、年明けから飛びこんできた仕事の量は膨大だった。アマゾンから取り寄せた書物を斜め読みで毎日3冊ずつ読破し、重要な個所にメモ書きの付箋紙を貼り、どんな文章に組み立てようかと頭脳の整理整頓をする。ろくに着替えもせずシャンプーもせず、3月末までパソコンを睨みつける生活を続けているうちに、鈍っていたスキルがメキメキと復活していく。私は文章を書くために生まれて来たんだ。ぬるま湯に浸って擬似的な友人関係に逃げていた自分は何だったのだろうと、憑き物が落ちるように正気が戻ったのである。

要らないものが抜け落ちた今、ご注進の電話をくれた友人に聞いてみた。「電話をくれた意味が分からないんだよね。彼がこう言った、貴方がこう言ったと、自分で判断できないことをなぜ私に相談するの?」と。友情を大切にしたいなら、相手を不安にさせる内容は胸に収めておけば良い。怒りが込み上げるのを抑え、彼女についてあちこちから聴いている噂話を口走る前に、「ありがとうね」と電話を切った。耐え忍ばなくてはもっと我が身が嫌になる。

自分のして欲しくないことを人に対してしない。利用する仲間付き合いよりも、孔子が言った「恕(じょ)」を温め合える大切な人が一人いれば良いと思っている。極端かもしれないが、本当に心の開ける相手は微々たるものである。

恕:goo辞書より「他人の立場や心情を察すること。また、その気持ち。思いやり。」

コメント

  1. 亀吉 より:

    くだらねえ連中とは付き合わねえのが一番です。ぼくも長いこと店をやってるから、人を見る目は養われてきたと自負しています。色々な人間がいるよね。
    頑張れ、ゆりちゃん!

  2. 花野井&セリカ より:

    織田さん、たいへんでしたね。
    陰口をいうその友人は、もしかしたら心の裏側では
    織田さんがご活躍されていることに嫉妬しているのかもしれません。その友人の裏側の感情が織田さんを苦しめたのかもしれません。

    私も以前、仕事仲間と同じような経験をしました。
    しばらくの間、怒りが収まらずにいて、そんな理不尽な友人を憎むようになりました。
    ある日、理不尽な友人を憎み続ける自分がものすごく情けなくなり、それから後考え方を180℃変えたことですごく楽になりました。

    人と争うことは、疲れるし無駄なエネルギーを放出する必要はない。このようなマイナスなエネルギーは、心身にも決していいものではない。エネルギーが余っているなら、仕事やプライベートで使うべきだ。

    せっかく、縁があって知り合うことができた友人の存在をもっと大事にしたい。たとえ陰口を言われたとしても、別にかまわない。この短い人生を考えたら、それもご縁かもしれない。
    しかし、あまりの迷惑者や問題児さんであったら、お付き合いはしたくない。私が我慢できる範囲でないのなら。

    織田さんのおっしゃる「自分のして欲しくないことを人に対してしない」を実践に。

    今は、争いごともなく、自分らしく素直な心で人と接しています。

  3. こまちゃん より:

    問題って、殆どの場合は時間が解決してくれますよね。距離をおけば時間が出来るから、ハタから見ると逃げてる様に見えるかもしれないけどとても有効な手段だと思います。友人と言えど所詮は他人なんだし、冷静に考える時間が作れて良いかも知れませんね。

  4. marie より:

    「自分のして欲しくないことを人に対してしない」
    これは当然のことですよね。
    けれどもこんな当たり前のことが出来ている人間がこの世の中に何人いるのでしょうか?
    人間関係は本当に難しいです。
    本当の事なんだから・・・と、相手の気持ちも考えずにモノを言う人が沢山居ます。
    女性に多いのですが、人から聞いた悪い話、愚痴を横に全て流す人が居ます。
    実際に私も流された一人です。
    「あなたの旦那さんてこうなんだって?」と言ってもいない人から言われて「あいつ~、言ったな」と思いました。
    そうやって余計なことをしゃべる人の共通点が「自分のことはしゃべらない」「他人に言われたくない」というものです。

  5. まるいち より:

    久々にコメント失礼します。

    >本当に心の開ける相手は微々たるものである。

    まったく仰る通りだと僕も思います。

    こういった出来事も、永らえばまたこの頃や偲ばれむの心境になると良いですね。

  6. yuris22 より:

    亀吉様

    ありがとうございます。この世には下品と下衆以外に、外道も生息していることに気づきました。一緒にいるだけでその仲間と思れるし、無視すると悪い噂を振りまく。悪運に恵まれた(?)人なんでしょうが、周りがとばっちりを受けて怪我するのが特徴ですね。近寄らないことにします。

  7. yuris22 より:

    花野井&セリカ様

    ありがとうございます。昨日の嵐がモヤモヤを吹き飛ばしてくれて、今日はエネルギーが仕事に向かっております。

    争いを吹っかけてくる人物に多いのは色眼鏡付き誇大妄想壁です。その人の誘いを断り別の人と飲んでいたら「○○とデキてる」と噂を流し、その噂が回り回ってまるで18禁映画みたいな内容になり、全く関係ない人から私の耳にご注進されるのです。

    仕事で家籠りが続いた間に、ドロドロした人間関係が断ち切れたのはラッキーでした。今ではごく少数の信頼できる人、決して人の悪口を言わない人とだけ、たま~に飲みに行く程度です。心を常に穏やかな状態にして、感情のアップダウンは原稿用紙に対して吐き出したいと思っています。

  8. yuris22 より:

    こまちゃん

    日にち薬って、ズルズルしてた悪癖・悪友を断ち切るには、お金のかからない最高の自然薬ですね。自分にとって「無くても困らないもの」が見えてきます。最も要らないのは他人の目だと思いました。

  9. yuris22 より:

    marie様

    黙ってりゃいいのに、お節介な人間がほんとに多いですよね。「あなたのためを思って言ってるんだけど・・」って伝え聞いた噂話をしてくる人間ほど、心のレベルが低いと思います。アンタだって人に何言われてるのか知ってんの?、自分の頭のハエを追え!って言いたい(笑)
    人間関係を円満に運ぶのは、見ざる・聞かざる・言わざるのスタンスでいるのがベストなんでしょうね。ここだけの秘密なんて、絶対にありえませんからね。

  10. yuris22 より:

    まるいち様

    飲んで騒ぐのを目的とした友人関係は疲れました。宴会に数合わせのために誘われなくなったことを喜んでおります。一年に一回の桜は、本当に大切な人と黙って眺めていたいなあと。

  11. 的は逗子の素浪人 より:

    「あの人の心を思わば、我は無し」
    「我に無し、地位と金と欲」、駄句にて失礼。
    でも欲はあるなぁ~~~、やっぱり人間だもなぁ。

  12. yuris22 より:

    的は逗子の素浪人様

    あらら、季語がないですね。
    もしかして「無し」=「梨」だとか。最近は高級な果物ですよ(^_-)

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