CNNカメラマン

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私のブログにたびたびコメントを寄せてくれる、岩手の利衛門さんが昨夜上京した。彼は美容業界での有名人。「1月に孫が生まれてね」という割には若々しいルックスだ。
さっそく目黒のTIME OUTで、マスターの村さんも交えて話が弾む。

そこに携帯が鳴ってもう1人、酔っ払いが追加。
CNNのシニアカメラマンだ。彼とは目黒の「秀吉」というモツ焼屋で時々出くわす。
見上げるほどの身長に眼光が鋭く、隣に座るとちょっと汗臭い。

彼がCNN東京支局のチーフカメラマンとは全く知らない私は、恐れ多くも恥ずかしい質問をした。
「いつもどんな映像を撮ってらっしゃるんですか?」
「うん? 戦争だよ。アフガニスタンが多いな。」
「えっ!? 撃たれたりしないの?」
「しょっちゅうだよ。」
先日渋谷で起きた発砲事件なんて、彼にとっては恐いどころか、へそで茶を沸かす事件らしい。

座の話題がブッシュ政権に移り、9.11の時はどこに居たのかを聞いてみた。
「あの直後にビンラディンの情報が入って、ロンドンからベルリンに飛んでタジキスタンへ。そこからヘリでアフガニスタンに飛んだんだ。」と当時を振りかえる。
日本の報道局はというと、彼がアフガン入りして1ヵ月後に、NHKが到着したとか。
なぜそんな日数を要したかといえば、タジキスタンからアフガニスタンの間は3千~4千メートル級の山々が連なる山岳地帯。ヘリがチャーターできなかったNHKは、歩いて山越えをしてきたそうなのだ。

ガイド役としてお願いされた彼に、NHKのスタッフは拙い英語で話しかけた。
「え? 僕、日本人ですよ。」
そうかそうか、CNNの大ベテランを知らなかったのは私だけじゃないんだと、ちょっと安心した。

CNNで活躍を始めてから23年。
危険を顧みずにカメラを回し続けてきた中で、放送に使えるシーンはほんの僅か。あとは資料として倉庫に眠るのみだという。
最初から戦地でのカメラマンを志望したのかと尋ねたら、う~んと黙ること3分間。
「酔っ払ったな」と立ち上がる。

私の手をしっかりと握って握手。「今度はベイルートだよ」と言い残し、次の店に向かって行った。

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