それは一通の怪しい手紙から始まった。
千葉県の不動産屋からで、私が持っている山武市松尾町の土地の境界線確認に立ち会って欲しいと言う。
実はこの土地、20年ほど前に父が私に買わせた分譲地で、畑に囲まれた限りなく辺鄙な場所にあるらしい。(らしいと言うのは、まだ一度も見たことがないので(^_^;)
これまでいろんな業者から測量の必要があるだの、売ってやるから登録料を払えだの怪しい葉書が来たが、無視して放っておいた。
しかし今回の業者は宅建の資格を持っているし、HPを見てもきちんとしている。
電話したところ、隣の土地の持ち主から売却の要望があったので、近日中に境界線を確認したいとのことであった。
意を決して昨日は、MINIを運転していざ房総へ!
レインボーブリッジを渡り、東関東自動車道、千葉東金道路と初めての道を走る。
迷ったあげく2時間半ほどで、業者と待ち合わせの松尾駅に到着。
そこからまた15分、畑の中の道を走り、分譲地らしき場所に到着した。25区画あるうち、3軒だけ家が建っている。
「見取り図から判断して、杭を打っておきましたのでご覧下さい。」
「えっ、この竹やぶですか?」
うっそうと茂る笹竹を掻き分け、境界の確認に行く。
今はとりあえずの杭だが、敷地工事をすれば昔のコンクリートの杭が出てくるらしい。
ちなみにこの土地を売却すれば(もしも売れたらの話)、広さ50坪で約200万円。ただし敷地工事に40万円。
隣の土地と合わせれば売れる確立が高くなると業者は言うが、う~ん、どうしたものか。
周りからはウグイスの鳴き声。春風に麗らかな日差しが降り注ぐ。
竹がいっぱい生えているせいか、「気」の良い場所である。
近くには幾つか酪農の農家があるというが、不思議と臭いはしない。
業者への返事はペンディングにして、車で5分走れば着く「蓮沼海浜公園」まで行ってみた。
久しぶりの九十九里浜はゴミひとつ落ちていない白い砂に、ダイナミックな太平洋。
松林の遊歩道を犬を連れた老人が散歩している。
「芝山はにわ道」を走る帰り道、「オライはすぬま」という道の駅を発見した。
売店に入ると最初に目に入ったのが、太った美味しそうなエシャレット。20本入って390円だ。
さすが千葉!の青々とした葉が茂る大根も、東京の半値だった。
なんか、いい所だな。
道も心も迷いながら東京へ向かい、渋滞に巻き込まれた首都高速。
フロントガラスから見上げる空は、海のブルーではなく、アスファルトのグレーを映した色だった。
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