いちばん嫌いな臭いについて

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1月5日の読売新聞の記事から抜粋。
「脳梗塞や心筋梗塞などの医療費が、喫煙によって1733億円増加しているという推計を、厚生労働省研究班(主任研究者=辻一郎東北大教授)がまとめた。メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)による増加分の1・5倍に上り、研究班は禁煙指導の強化を訴えている。」

これを読んで煙草をやめようと思う愛煙家はどれほどいるだろう。身体に悪いのは分かって吸っているんだと答える人が多いのではないだろうか。では彼らは副流煙が周りに及ぼす健康被害も重々承知で吸っているのだろうか。

昨日は葉山で飲み会をしようと友人たちとタクシーに乗ったのだが、車が走り出した数分後に吐き気がもよおしてきた。原因は耐えがたい臭い。隣に座った1人が飲食してきたオニオンスライスとビールと、身体に染みついた煙草&整髪料の臭いがミックスして、暖房の中でモアーッと広がったのである。

店に入ってさっそく灰皿に手を伸ばそうとする友人に、煙草を吸っているあいだ私が表に出ていると告げた。思いきりガンを飛ばして彼は外へ喫煙しに出たが、上下関係はなく、お勘定も割り勘なのだから立場はフィフティフィフティ。へつらって自ら弱者になる必要はないし、キツイ女だと言われたって大いに結構である。

数ある嗜好品の中で私がいちばん嫌いなものは煙草。数年前まで愛煙家の恋人がいたこともあったが、気を使ってベランダで喫煙してくれたとしても、髪にも衣服にもヤニ臭さが染みついて、部屋に戻れば一気に臭いが充満する。黄色い歯の笑顔にはゾッとし、キスなんて迫られたときには後ずさり。耐え忍んで毒蛇とキスしているようなものである。

いつのまにか相手の容貌・性格・言動・ライフスタイルも極端なまでに嫌いになってしまったのは、坊主憎けりゃ袈裟まで憎いであり、険悪な態度の根元が煙草にあると気付いたのは別れた後であった。きっと彼だって煙草と私とどっちを選ぶと聞かれれば、迷わず煙草を選ぶと答えるだろう。それでいい、お互い我慢できないものを我慢してストレスを溜めこむ必要なんてないのだ。

他人の顔色を伺って自分を殺すのをやめようと誓った今年。プライベードの場では居心地のいい人とだけ一緒にいたいし、テーブルに灰皿が置いてある店にはもう入らない。副流煙を被らないように生活していくだけである。父のように脳卒中で倒れ、死ぬまで半身不随でベッドにいる人生だけは送りたくない。

今日も我が家はクリーンな空気。しかしゲストルームで元恋人が使っていたクローゼットは、別れて何年たってもまだヤニ臭い。嫌いな臭いは記憶の中で、ファブリーズを使っても消えないようだ。

コメント

  1. marie より:

    いちばん嫌いな臭い。

    私も煙草は好きではないです。
    社会に出たばかりの頃は人がすっているのも嫌で・・・。
    今は自分が吸わなきゃいいやと言うレベルです。
    ただ、宴会後の煙草の臭いは嫌いなので、洋服は新品は着ないようにしてます(笑)

    「他人の顔色を伺って自分を殺すのをやめようと誓った今年」
    これは私にも当てはまります。

    人生には必要な忍耐と不必要な忍耐があると思います。
    よく「空気を読め」とか言いますが、それは必要なことでしょう。
    ただ、自分を殺しすぎて心の病になるようなことでだけはしたくないものです。

    ゆりさんにとっても良い年でありますように。

  2. yuris22 より:

    marie様

    ヘビースモーカーと同席するときは、新品の服はもちろん着ませんし、家で洗える服を着ていくことにしています。じゃないとクリーニング代がかかりますからね。
    枕カバーがヤニ臭くなるのは嫌なので、深夜でもシャンプーしなきゃならないし、何かと手間が増えます。
    それでも同席したい相手かどうかが忍耐の分かれ目でしょうか。相手にも我慢のストレスは与えたくありませんしね。

  3. 的は逗子の素浪人 より:

    私は31歳まで吸っていましたが、故あって止めました。でも完全に体から抜けるまで7年間掛かりました。と言いますのは、7年目のある日突然大嫌いになったのです。それ以来、服や頭髪に付く匂いが気分を悪くするので、「近ずかない、風上に回る」など回避策をとってます。
    でも最近は以前より全体的な環境は良くなりましたね。会社でも2013年から敷地内全面禁煙になります。

  4. yuris22 より:

    的は逗子の素浪人様

    私が時々通りかかる芝公園近くのビルですが、スーツ姿の人たちがラッシュアワーのように集まるコーナーがあります。そのビルの喫煙場所なんですよね。北風に背中を丸めて黙々と煙草を吸っている姿はまるでニコチン動物園。あまりにも煙が凄いので、最近は反対側の歩道を通ることにしています。
    会社の禁煙が全面化すると、彼らは流浪の民のようですね。

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