詐欺師かストーカーかKYか

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携帯に電話してきた知り合いが、開口一番に質問した。
「そっちが出る直前にピッ!て音がするんだけど、なんで?」
ははーんと思い当たる節がある。着信拒否設定をONにしているので、かかってきた番号をチェックしたという合図のピッ!なのだろう。

着信拒否にした理由。2ヶ月ほど前、友人から紹介された実業家と名刺交換をした。バイオ関係の会社を経営しているという彼は、経理とパソコン入力を任せている女性と肩を寄せ合い、ネコナデ声の会話をする様子に親密な関係が見て取れる。4人でイタリアンレストランに行き、二次会はパス。ワインの酔いに満足して家に戻り、シャワーを浴びて寝ようかという時に携帯が鳴った。数時間前まで席を共にしていた、例のネコナデ男だ。

「いま大丈夫?」から始まって、社交辞令なのかどうか、私を褒める美辞麗句を連発する。その後は自分がどんなにステータスと財力があるかの自慢話。沖縄の海を浄化するプロジェクトで20億円の予算が下りたとか、芸能人の○○には仕事を回してやってるんだとか、豪勢な話を次から次へと喋る喋る。
こちらは「すごーい!」「ヘエーッ!」を繰り返しながら、ベッドサイドの本を広げ、音声をオフにしたテレビニュースを目で追って暇をつぶす。1時間近く喋られた後に「今度2人で飲みませんか?」と誘われ、「アハハ」と適当にごまかして電話を切った。

しかし困ったのはそれからだ。夜討ち朝駆けで電話を寄こし、聞きたくもない自慢話を一方的に喋る。おまけに東京の賃貸マンションから、私と同じマンションに引っ越したくて不動産屋を当たっていると言う。「僕は独り暮らしだから、4000万程度の物件でいいよね」と相槌を求められても、あのとき寄り添ってた彼女はどうなっちゃうのだろう。

「すみません、今忙しくて」と逃げ続けると、「CMのコピー書いてみない?代理店の ○○ちゃんに話を通しておくよ」の誘い水。紹介なんて要りません!と叫びたい気持ちを抑えつつ、大人にならなくちゃと静かに耐えた。
その後は居留守を使う私に対し、向こうはストーカーのごとく電話をかけてくる。1日に何回も着信ありの表示を見るたび、ムカムカと吐き気を催すほどBADな状態になった。

彼は果たしてストーカーなのか詐欺師なのかKYなのか。いずれにせよ私の経験から言えば、聞きもしないのにベラベラと自分の栄光を吹聴する男は怪しいと踏んだ方がいい。女を手に入れる術か、金を手に入れる術かのどちらかであり、きっと過去に美味しい思いをしたのが忘れられないのだろう。

しつこい電話に怒りが爆発し、彼を紹介してきた友人に電話をすると、「気をつけたほうがいいよ。大風呂敷を広げて儲け話を吹っかけて、金を騙し取る奴なんだ。絶対に話に乗っちゃダメだよ」のアドバイス。じゃあ最初から紹介するなよ!で、それ以降はネコナデ実業家の電話番号を着信拒否に設定した。万が一の万が一、もっと万が一、彼が私に本気であったとしても、この決断は間違っていないと思っている。

追記:
以上の事情がありまして、私の携帯番号をご存知の皆さまへ。繋がる直前にはピッ!の音がします。その後に「はい、もしもし」が聞こえたなら、あなたを充分に信頼していると思ってくださいね。待ち構えていたピッ!が聞こえなかったら、ヒト型ウイルス退治を終えたクリーンな私になっていると思って、「良かったね」と微笑んで頂ければ幸いです(^^♪

コメント

  1. はるり より:

    なんだか、面白かったです。

    追記が、とくに笑っちゃいました。
    何人の人が、ビクビクしながら電話しているのかと^^

  2. 亀吉 より:

    電話かけるのが怖くなりました。
    でも、かけてみたい・・・。

  3. yuris22 より:

    はるり様

    auの着信拒否は、拒否メッセージ1、拒否メッセージ2、無応答切断の3パターンがあるんですよ。私は無応答切断にしておいたら留守電には繋がるようで、今日もさんざん不快な思いをしました。
    大切なのは、迷惑電話の張本人をビクビクさせるメッセージにすること。「こちら○○会です」とか「○○警察です」とか、携帯電話会社も工夫して欲しいなあ。

  4. yuris22 より:

    亀吉様

    着信拒否かどうか、確かめたいんですね。亀吉さんの期待には逆らいません。
    ピッ!のあと、クマザワくんの「○”」が画面で逆噴射する設定にします。乞うご期待!

  5. 劇画オバQ より:

    万が一の万が一、もっと万が一‥つまり『兆が一』ですな?いや、別にオチは…すんまそん。

     m(__)m

  6. yuris22 より:

    劇画オバQ様

    思わず電卓を叩いて確認してしまいました(笑)

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