3年間ブログを書き綴りながら、書き慣れたと思うことはない。家の猫が可愛い、飲み会がどうした・・の自分志向な日記はともかく、読み手を意識した社会志向の場合は、お互いの共感をベースにしながら論理を成熟させていく必要があるからだ。それは延々と難しい。
論理を展開するブログを書く際、私の手法はプログラミングに例えればオブジェクト指向だ。オブジェクト指向を簡単に言えば、部品化された既存のプログラムを利用して、自分のソフトウェアを構築していく技法である。例えばホームページ上のボタンをクリックする時、PCやマウスの構造まで知る必要はなく、ボタンを押せば次に何が起きるかを追加してコーディングしていけばいいのだ。
文章術でのオブジェクトとは借文。ニュース記事、著名人の言葉、百科事典など他人が書いた文章を借りてきて、あとは自分の力で発展させていく。その際にプログラミングで重要なのは条件分岐文(もし○○だったら)とループ文(繰り返し)だ。
例えば「成人年齢の18歳引き下げについて法制審議会が開かれた」というニュースがあり、自分は法律改正に反対だったとする。
まずはネタ元の記事を引用し、もし法律が可決されたらの条件分岐。選挙権はどうなる、飲酒・喫煙はどうなる、税金はどうなる・・のループが続く。その途中にはケース文も用い、自分が18歳だった頃は云々・・という入れ子もある。繰り返す怒りがマックスに達したところで、ループから外に出て「だから法律改正には反対だ」と結論に導くのだ。
こうして練って悩んでブログを書いている人間もいれば、一方ではお手軽手法でアクセス稼ぎをするブログも後を絶たない。タイトルはキャッチーなのに、本文はネタ記事をコピペして感想が一行。もしくは拾い集めたデータをウンチク親父のように羅列したものもある。データは自分の糠床に漬けなければ単なる生野菜のまま。冷蔵庫から出しただけじゃ、おかずにならない。
アフィリエイトが儲かる時代は終わった。有名人じゃない限り、毎日垂れ流しているだけで誰が見てくれるのか。少なくとも読み手を意識するなら、切磋琢磨の心意気を見せてくれるブログであって欲しいと願っている。もちろん自分も含めてであるけれどね。
コメント
こんばんは!私は本を読んでこなったので、表現に乏しく、ブログで自分の文章をエントリーすることで日々試みています。なので、プロの立場からのご意見、とても参考になりました。
また、私は惹き付けられる文章を書く人のブログを見るのも楽しみにしているのですが、織田さんがマメにチェックしているオススメブログや情報があったら是非教えてくださいませ☆
ひまわり様
コメントありがとうございます。
私がマメにチェックしているブログは友人関係のものばかりで、文芸の足しにしているわけではありません。ただし自分の範疇にはない感性をキャッチすることは常に役立っています。
ずっと以前に私のブログを褒めて下さった方。みずみずしい画像と文章、この方が沢山読んでこられた書物が綴られている文面に惚れました。お忙しいようで更新は少なくなりましたが、いつも応援しています。
http://graymang5.exblog.jp/