人を幸せにする才能を持つこと

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一人だけで幸せになった人はいるだろうか。言葉を変えれば、他人と関わらずに幸せをつかんだ人はいるだろうか。デパ地下で買ったスイーツを食べて「美味しい!」と思うときには、工夫を重ねてスイーツを作った誰かの手がある。縁側の日だまりでお茶をすするお婆ちゃんの幸せは、先に旅立ったお爺ちゃんの思い出が隣にあるからかもしれない。

小林正観氏の著書『宇宙が応援する生き方』の中に、「なしあわせ」の仲間づくりという章がある。文字だけ見て「なしあわせ」という造語に戸惑ったが、読んで分かった。幸せの作り方なのだ。

「“為しあわせ”という言葉が“幸せ”という言葉の語源になりました。つまり“幸せ”とは、お互いに“してあげあう”ことをいうのです」

自分がしてあげたことで相手が笑顔になる。それを見て、心がぬくもる。自分の心は自分で温められないけれど、誰かに温めて貰うことは出来るのだ。つまり人間は自分を幸せには出来なくても、他人を幸せにする力を持っている。例えば「ありがとう」「好きだよ」という言葉一つで、今にも死にたい気持ちを救うことだって出来るはず。そんな素晴らしい才能を使わない手はない。

いつだったか、とある男性から恨みがましいメールを貰ったことがある。「貴方には○○をしてやった。あの人には○○をしてやった。自分は与えるばかりで、何も返して貰っていない」。
見返りを求める限り、その男性には欲しいものが手に入らないだろうと思った。金券を贈って付き合いを絶ったが、人を幸せにする才能に自らケチをつけていることに気付かなかったのだろうか。

為しあわせは、GIVE&TAKEではなくて、GIVE&GIVEの法則を持つ。バレンタインデーに手作りチョコレートをあげて、ホワイトデーには何倍返しになるかしら?なんて期待するんじゃなく、幸せをプレゼントした時点で一件落着。誰かから誰かへ、善意は回りまわって、やがてビッグプレゼントになって自分に戻ってくるはずだ。

今朝起きてからベッドに入るまで、何人に会い、何人と会話しただろう。優しい言葉を発し、幸せを幾つプレゼント出来たか、心のぬくもり具合が教えてくれる。

コメント

  1. オ・キ・ト より:

    自分にはできているんだろうか?ふと考えてしまいました。。。
    これからも気をつけていきたいですね・・・!

  2. yuris22 より:

    オ・キ・ト様

    「してあげた」「してやった」という気持ちは、口に出すどころか、自分の中で消去するように努めています。善行を勲章のように見せびらかすのは、貧相な行為のように思えるのです。幸せのプレゼントは、あくまでも自然に控えめに、そしてすぐに忘れる。その積み重ねが「徳」になるのかもしれませんね。

  3. marie より:

    「あなたに出逢えて良かった」
    この言葉を以前に居た会社で退職するまでにどれだけ頂いただろう・・・?
    そして、退職してからも絶たない関係、むしろ退職してからの方が良くなった関係もある。
    その事で自分がどれだけ職場の人に愛されて来たのかがよくわかったような気がしました。
    そして、再就職先では人間関係に恵まれ「あなたって話題が豊富で楽しいね。何でいつもそんなにネタがあるの?」と言われました。
    何だかとてもうれしくなりました。

    けれども、夫婦間や家族間とかは「~してやったのに」とか「あれ程~言ったのに」「何と思っているんだ」だの全てが恩着せがましい言葉が多いように思います。
    情けないことですが自分もたまにそんな言葉を吐いてしまいます。
    けれども、夫婦は見返りを求めるばかりではないけれど、やはり、「与える、与えられる」のバランスが上手く出来ないと破綻してしまうように思います。
    「人を幸せにする才能・・・」とても大事ですが、夫婦や家族だとキレイ事ばかりでないのも事実かと感じます。

  4. 的は逗子の素浪人 より:

    愛に見返りはいりません。
    会えたこと愛していることが自分の幸せです。
    さびしいけど、やせ我慢!。

  5. yuris22 より:

    marie様

    私はYOMIURI ONLINEの発言小町を愛読しているのですが、夫婦間の揉め事の相談がよく目につきます。何十年連れ添った夫婦でも、「自分だけいい思いをして・・云々」の不満が爆発して、仲がこじれるケースが多いようです。所詮は他人同士、思いやって心の中を見てあげないと、片方は置いてけぼりを食うのかもしれませんね。

  6. yuris22 より:

    的は逗子の素浪人様

    たとえ別れに至っても、会えた・愛した記録が心に残るのは、何もない人生よりはいいですね。やせ我慢した分、次の相手とはもっと上手に付き合えるのではないしょうか。

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