小学校の算数の時間、宿題の答え合わせで胃の痛む思いをしたことがあった。端の席から順ぐりに皆が答えを発表していくなか「宿題を忘れました」とは言いたくないし、パニックになった頭では簡単に解けない文章題だ。ついに私の番が来たとき、とっさに取った行動はデタラメな方程式を読み上げること。即座に教室中から「違いまーす!」と合唱のようなダメ出しが返ってきて、後ろの席の子へと順番が移った。
今でも時々夢に見てうなされる嫌な思い出であるが、なぜそんな小ずるい対策を思いついたか。ちょうど反抗期の始まる年頃だったのだろう、私のクラスには他人を否定したがるスネ夫くんみたいな性格の子が多かった。誰かがミスするのを待ち構えて、得意満面になって「違いまーす!」と否定することは目に見えていたのである。
似たようなことが政治の世界にもある。公正取引委員会の委員長人事案が事前報道されたことをルール違反として反発した民主党が、今日午前中に行われた議院運営委員会理事会において全員の人事案が提示される前に途中退席したという。抵抗野党となった民主党の裏で糸を引くのは誰でも想像がつくゾンビ顔の人物だ。
今日の読売新聞に以下の記事が載っていたので引用する。
『輿石氏は拒否の理由として同意人事に関するルールに違反することを強調している。だが、事前報道された人事案は原則として提示を受け付けないとした現行のルールは、対象人物の適性などに関係なく、国益を害するとの指摘があり、昨年8月、民主党が提案する形で見直しに入った。ルール作りの最中だから、問題のあるルールに従うというのでは、見直しの趣旨に反するのは明らかだ。
また、杉本氏の起用は民主党政権時代に内定したものの、国会提示に至らなかったものだ。自民党の鴨下一郎国会対策委員長は7日、国会内で記者団に「国益にかなうか、適材適所かどうかということで民主党が配置した人事で、事前報道を理由に反対することは国民から理解されないだろう」と批判した。』
内要を精査する以前に、屁理屈を並べて「ハンターイ!」と叫ぶ民衆党。「ノーサイドにしましょう」と言った野田氏が総理を退いて、自民党に政権を奪われてしまった今はネガティブなスネ夫くんの集まりでしかない。抵抗政党であることが民主党の矜持なら、反対の旗を掲げて国会議事堂の周りをぐるぐる回っていたらどうか。なまじ審議の場に出てこない方が政治は停滞せずに済み、国民は迷惑を被らない。
与党と野党が争っているところにジャイアン登場。中国あたりが「漁夫の利」でほくそ笑む構図だけは避けて頂きたいものだ。
コメント
ニュースを聞いた時に「中国に仕掛け」と思った。
姑息な嫌がらせ、それにのる民主党。これで構図OKてか?