不思議な夢とカーネーション

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父方の祖母と2人で、私は木造の小さな家に暮らしていた。古い桐の箪笥が置かれた部屋に布団を並べて眠り、明け方に目が覚めると隣がいない。どこへ行ったのか探しに行くと、庭へ続く敷石の上に、じょうろを持ったまま倒れている祖母を発見。花に水をやろうとして転んで、立ち上がれなくなったらしい。

とにかく家に入れようと抱きかかえれば、驚くほど軽い。いつの間にこんな小さくなったんだろう。トイレに連れて行ってから布団に寝かせ、痛くないか、何か飲みたいか、世話をやいているうちに猛烈な睡魔に襲われて居眠りしてしまった。

ハッと気が付くと祖母の身体が浮いている。「おばあちゃん、幽霊だったの?」
鴨居を越え、私の手の届かない高さまで浮き上がった祖母を、見知らぬ男性が迎えに来ていた。神様の使いらしい。
「あんじょうやるんよ」の懐かしい声とぬくもり。やがてシルエットは真っ暗な空間に吸い込まれていく。
「ここから先は見たらあかんよ」
「また会いにきてくれるよね」
布団に戻り、再び目を開けると見慣れたベッドルーム。私は夢を見ていたんだと気付いた。

夢占いでは、亡くなった人と会話したり抱き合ったりする夢は、幸運の訪れを意味するという。しかし庭でじょうろを持って転んでいた状況は何だろう?祖父母が眠る霊園には不義理せずに行っているのに、もしかして墓石が傾いたのかな。

とりあえずは墓参用の花を買いにフラワーショップに寄った。菊や百合がセットになった仏花を手に取りながら、何故かしっくり来ない。ふとガラスケースを覗いて目に入ったのは、まだ2分咲きの真っ赤なカーネーションだった。1本200円、うーん考えちゃう。

カーネーション1

仏花にしては高価すぎる花束を2つ作ってもらい、鎌倉霊園へ。墓地には何も変わった様子はなくホッとしながら、墓石を洗ってお線香をあげる。手を合わせて近況報告したあと、「また来るね」と背を向けた瞬間に目が点になった。

通路をはさんだ向かいの墓地。花生けに数本挿してあるのは、短くなり頭だけになった赤いカーネーション。もう枯れかかっている。きっと花好きだった祖母が、数日間お向かいさんに楽しませてもらったお礼をしたいと、孫の私に夢のメッセージを告げたに違いない。

まだ2人しか入っていない我が家と違い、向かいは7人の大所帯。20本のカーネーションがあれば、天国でお裾分けできるよね?おばあちゃん。これから1週間は綺麗に咲いてくれるはず。母の日ではないけれど、墓誌に刻まれた数名の女性たちに微笑んで貰えたら、今日は1日幸せである。

カーネーション2

コメント

  1. marie より:

    亡くなった人と抱きあう夢は見たことないですね。
    会話はどうなんだろい??
    夢に祖父や祖母が出て来ても会話しているような?していないような・・?
    夢と言えば、昔、祖母が「人寄せ」の夢を」見ると良くないことが起きると言ってたのを覚えています。
    私の場合(敢えて人には聞いたことはない)それがピタリと当たります。
    夢のなかで親戚が集まって何かしている。
    すると必ずトラブルが起きます。
    だから夢は見たくないですね。
    普段、「天然」と言われる程なのにそういう勘はすごく働くので・・・

  2. yuris22 より:

    marie様

    ホッ、良かった。登場人物の多い夢は見たことがありません。
    子供のころよく見たのは、時代劇の主人公になった夢。バッサバッサと悪人を切り捨てるチャンバラの夢です。水戸黄門の見すぎだったのかな。

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