完璧主義か風まかせか

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X JAPANのTOSHIが自己啓発セミナー団体「ホームオブハート」と決別し、妻に離婚調停の申立てをしたことをMIXIの日記で告白している。知らぬ間に莫大な税金と借金を課せられて、自己破産したことも綴るにはどれほどの覚悟が要ったことだろう。

「働いた多額のお金は今日にいたるまですべて持っていかれてしまいました。 実際の生活費は、私の友人、知人に個人的に援助を受けて生活してきました。」
「押し付けられていた毎日長時間にわたる過酷な労働が、心身ともに苦痛となり、積もり積もって今回の病気になってしまいました。」

六本木がディスコブームに沸いていたころ、くだんのMASAYA氏には何度か会ったことがある。スクエアビルのギゼで踊っていた私に「こんなところに来ちゃダメだよ」とお説教し、見つかるたびに家に連れ戻された。
「大人しくしていたら彼女にしてあげる」と囁かれたものの、単なるプライドの高い遊び人にしか思えず、まさか時代の先を行く青年実業家になろうとは思いも寄らなかった。ましてや社会問題となった自己啓発セミナーの主催者になろうとは・・である。

当時の私は人生目標も仕事もなく、ちゃらんぽらんな毎日。もしもストイックな生き方をしていれば簡単に洗脳されてしまったかもしれないが、馬鹿さ加減が酔拳(すいけん)のように身を守ってくれたようだ。

自己啓発セミナーやカルト宗教に洗脳されやすい人には、幾つかのタイプがあるという。まじめで完璧主義な人。洗脳されないぞと頑なに思っている人。孤独が怖くて自我のない人。根拠のない情報を信じやすい人。学歴やキャリアには関係ないのは、オウム真理教を見ればわかる。

TOSHIが誰にも知られたくない人生の汚点を、プライドを捨てて何十行にもわたり告白するのは、どれほど勇気がいることだろう。再スタートを切った彼に願うのは「風まかせに生きること」だ。これは33歳で脳出血(奇跡的回復に2年)、その後3回も心筋梗塞の手術をした某実業家が教えてくれた人生指南である。

「僕は100%ポジティブなんだ。悩んで否定したら結果は良くならない。風まかせに生きてれば、運が味方してくれる」。
川の流れに任せて走る船のように、風に揺れる柳のように、人生はゆーらゆら。どうにも出来ないことをくよくよするな。美味しいものを食べて飲んで笑っていなさいと教えてくれた。

これからはきっと運が味方してくれるはず。TOSHIの再スタートには、最大コメント数を超えた「応援しています!」の励ましが寄せられている。

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