7月17日、猛暑の南相馬市にて

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生まれて初めて行く福島県南相馬市は、日曜日の朝4時に逗子を出発した。千葉県柏市で車を乗り換えて常磐道に乗ったが、広野ITから先は通行止めなので、いわきJCTから磐越道へ入る。郡山JCTで東北道に入って福島西ITへ。国道115号線を海に向かって走り、相馬市から南相馬市へと南下するルートを取った。

山越えをする途中、気温の表示は36℃。エアコンを効かせた車でも、差し込む日差しは腕をジリジリと焼くように痛い。外を歩いている人はほとんどいない景色が続いた。

逗子から8時間弱で到着した鹿島中学校では、体育館で生徒たちが部活中。福島は暑いとは聞いていたが、放射線値よりも先ずは熱中症が心配になる気温と湿度である。

鹿島中学校

体育館

先生にご挨拶して、私たちは扇風機13台と延長コード、逗子のALICE SHOPから託された新品の子供服を校舎の玄関に運び込む。「これがあると助かります」と喜んでくれた先生は、車を出すまでお見送りして下さり、正午前には予定が終了した。

鹿島中学校玄関

扇風機

扇風機2

今回の南相馬行きメンバーは3人と少人数なので、動きと決断も身軽である。地元でお金を使おうと道の駅「そうま」に寄ったり、ランチは国道6号沿いで最も車が多く駐まっているラーメン屋さんに入った。黒味噌・赤味噌・白味噌の看板が目をひく「味噌蔵 麺龍」という煮豚入りラーメンが売りの店だ。

味噌蔵ラーメン

私が頼んだのは、さっぱりタイプの「白味噌煮豚めん」840円。とろけるような煮豚も美味しかったが、薬味として出された高菜のキムチはお土産に持って帰りたいほど気に入った。残念ながら販売品ではなく、スタンプを集めると分けてくれるらしい。

白味噌らーめん

家族連れが楽しそうに食事に来ているこのラーメン屋さんから、国道6号をもう少し下がれば、全面通行止めの交通規制。今まで訪ねた被災地で見てきたガレキの山の風景とは違い、ここには目に見えない放射物質の恐怖が24時間つきまとう。それは色もなく臭いもなく、黙々と身体に取り込まれていたとしても何も分からないのだ。

同じルートを戻る帰り道、「全国からの応援ありがとうござます。福島県民」と大きな文字で書かれた白い看板を見つけた。支援に頼るよりも自活する道を早く手に入れたいと、みんな一番に願っているだろうに、とても切ない。

道の駅で売られている野菜たちも、牧場で飼育されている牛たちも、田んぼに青々と伸びた稲たちも、物は言えないけれど自分たちが必要とされることを待っている。一刻も早く、それが実現されるよう対策が進むことを祈らずにはいられない。

コメント

  1. 鹿島中 教頭 より:

     昨日は,遠路遙々南相馬市まで,扇風機,延長コード,子供服等を運んでいただき,ありがとうございました。早速,明日,不足している教室へ扇風機を入れたいと思います。本来ならばお出迎えするところでしたが,私用で学校に居れませんでした。すみませんでした。
     初めて織田様のブログを拝見し,沢山の被災地への支援をされている様子がわかりました。本当に有り難いです。私も原発事故で20km内の自宅に戻れず,住むところも近くになく,放射能のやや高い(織田様が通って来られた)川俣町から通勤しております。いろいろ不自由で不安を抱えた生活ですが,皆様からの応援をいただきながら,がんばっているところです。
     本当にありがとうございました。

  2. yuris22 より:

    鹿島中学校 教頭先生殿

    微小な力ながら少しでもお役に立てたと分かり、とても嬉しく思っております。
    荷物を降ろして軽くなった車には、無事に届けることが出来たという安堵感をいっぱい乗せて帰りました。皆様が少しでも快適になれるよう、これからもお手伝いさせて頂ければ幸いです。
    どうか先生も、何の不安もなくご自宅に戻れる日が早く来ますように、私たち一同お祈り申し上げております。

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