仕事の恩人の訃報が届いて、今日は夕方から中目黒の教会で行われるお葬式に参列する。NHKの子ども番組ひとすじに打ち込んできたIさんは音楽が大好きで大好きで、教育番組や幼児番組を通して沢山の歌を作ることへ私にも声をかけて下さった。
「ふえはうたう」という番組でリコーダー練習曲として生まれた「赤いやねの家」も、構成会議でIさんに歌詞をお見せしたとき、「ここらへん(胸のあたり)がキューンと痛くなりました」と涙を流さんばかりの一言が嬉しかった。あの会議室で認められたことに始まり、他の番組へも広まって、小学校の教科書に載せてもらえる作品となったのである。
訃報を送ってくれたディレクターによると、Iさんは先日も「はじめましてぼうけん」を編曲したばかりでしたと、スタッフ誰もが思いも寄らないお別れだったらしい。あの歌のオンエアをIさんは天国で聴くのだろう。
ご逝去の日時を見て驚いた。前回のブログ「護られていると感じるとき」に書いた、夕方の目黒通りで私が衝突事故から免れた日時と同じなのである。不思議な作用が働いて車が前に進まず、その瞬間に暴走車が交差点に突入してきたという間一髪であった。
私を護って下さっていた方がまた一人、地上から空へと居場所を変えていった。人の死は不幸ではなく、キリスト教では神の御許に召された記念すべきことだという。
以前に参列した教会でのお葬式では、参列者の献花が続くあいだ、
♪神ともにいまして 行く道を守り 天(あめ)の御糧(みかて)もて 力を与えませ
また会う日まで また会う日まで
神の守り 汝(な)が身を離れざれ♪
をくりかえし繰り返し歌ったのを覚えている。
いつか私が棺に横たわる番が来た時には、見慣れたIDカードを首から下げたIさんが「またお会いできましたね」と出迎えてくれるのだろうか。先輩を見習うべく、信頼しあえて、護ってあげたい人を私もたくさん作っておこうと胸に誓った。
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