アルゼンチン映画を見た夜

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アルゼンチンの首都、ブエノスアイレスといえばタンゴにサッカー。
しかしもうひとつ、意外と知られていないのが映画だ。映画が発明された翌年にはアルゼンチンで映画が上映され、世界でも先進国だったという。

昨夜は目黒パーシモンホールで上映された「バレンティン(Valentin)」を見に行った。

1969年、主人公のバレンティンはブエノスアイレスのアパートに住む8歳の少年。
口うるさいお婆さんとの二人暮らしだ。
両親は3歳の時に離婚し、パパは仕事と女に忙しく家には滅多に帰らず、ママはどこへ行ってしまったのかわからない。
人恋しくてたまらないバレンティンの願いは家族を持つこと。しかしパパのガールフレンドはころころと変わり、お婆さんも倒れて世を去っていく。
独りぼっちになったバレンティンはどんな手段に出るか・・、周りに「マセガキ」と言われるキャラクターで愛をふりまく姿を描いた作品だ。

Valentin1
Valentin2
Valentin3

映画の中で、叔父さんが不思議な箱を持って訪れるシーンがある。
「この中に妻と子供が入っているんだ」と驚かせスイッチを押すと、聞き覚えのある声と赤ちゃんの笑い声が流れてきた。そう、カセットテープレコーダーだ。

「壊すなよ、月賦で買ったんだから。自転車6台分の値段がしたんだ。」
泊まっていった叔父さんが帰るときには、お婆さんとバレンティンのメッセージを録音してお土産とする。

今でこそDVDやMDに変わってしまったけれど、我が家には捨てがたいカセットテープが段ボール箱に詰まっている。
初めて書いた原稿がオンエアされたラジオ番組、コンサート用に書き下ろしたテーマ曲、友人の作曲家と作った売り込み用デモテープ・・。
今はこれを聞くための機器がないのに、やっぱり捨てられない。

伸びて絡んでしまったテープを指でくるくると戻すと、あの時・あの場所の思い出が心にリフレインした。

コメント

  1. こまちゃん より:

    偶像崇拝みたいなものかも知れませんね。
    そこにいないのが判っているのに
    お墓参りしたり。その時に戻れないのに
    アルバムを見て懐かしんだり。

    心にありて思うもの、なんでしょうね。

  2. 詩人たそがれ より:

    いいですね、そちらでは良い映画が見えて・・・

    そうでよね、自分が「うゥ~」と言いながら作ったものは、手放せませんね。その時の「自分そのもの」ですからね。

    管理様のカセットて・・・何とかトラック・・・とかいうやつですか???

    きっとAV専門家が友達にいらっしゃるでしょうから、「ウインク&投げKISS」して(同性かな?)、デジタル化して置くのも手かと・・・。

    「記念館」完成まで
    ガンバロゥ! ガンバロゥ! ガンバロゥ!

  3. リハル より:

    こんばんは。最近は、レンタルショップやケーブルテレビ等、数はあふれてはいるんですけれど、意外と同じような映画しか見ていないことに気付きました。これからも映画を紹介して下さいね。

  4. はじめまして。
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  5. yuris22 より:

    こまちゃん

    録音しておけば良かったと、今さらながら
    後悔するのは家族の声です。
    一家団欒のテーブル脇で、テープを回して
    おくだけで良かったのに・・。

    もちろん情景と共に会話は、思い出すこと
    はできますが、形あるものも欲しかったな
    というところです。

  6. yuris22 より:

    詩人たそがれ様

    私が溜め込んでるのは単なるカセットテープです。

    古い作品を聴いてインスパイアされることはない
    のですが、当時の自分に逢えるのは照れくさくも
    あり、未熟さ加減が可愛くもあります。

    時間があるときに、まとめ聴きしようかな。

  7. yuris22 より:

    リハル様

    今回の映画は、翻訳家の友人がボランティアで
    字幕をつけた作品でした。

    会場には空席も目立ったけど、DVD化されたら
    じっくり人気が上がりそうな秀作です。

    私なりに感銘を受けたものを、また紹介して
    いきますね。

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