子供の頃、雪の降り始めはファンタジー映画の始まりだった。窓におでこをつけて、空から舞い落ちる白い華を飽きもせずに眺めていたものだ。
「朝起きたら積もっていますように」
願い事が通じれば休校の電話連絡が来て、外で雪だるまを作って遊べる。枕元にはサンタクロースを待つ靴下ではなく、雪の天使を待つ手袋を置いていた。
大人になった今、雪が積もれば交通機関が麻痺するのを心配しながらも、ワンダーランドを待っている子どもが自分の中にいる。夜明けと共に窓に駆け寄り、テラスから町を見おろした。
赤や青の屋根に真っ白な粉砂糖を振りかけた町。普段は土肌を晒している造成地も、今日は美味しそうなチョコレートケーキ。きっと家々の窓には天使が召集した子どもたちが、空からのプレゼントに目を輝かせているに違いない。
「雪のエンジェル」
かぜのシンフォニー きこえる夜は
さむい空から 雪のエンジェル
銀のつばさで 舞いおりるよ
めざめた朝は 魔法の国
いたずら好きな 雪のエンジェル
氷砂糖の 町がひとつ
Copyright by Yuriko Oda
コメント
こんにちは。なぁんてロマンチックでしょ。あしもとにお気をつけあそばせぇ~♪夕べはおこめがスッテンテン…で吹雪の夜中を愛馬でなくクルマで行きました。ハンドルも切れなかったりブレーキもアンチロックでグッグググ…わかるかなぁ!?ウインドシールドには叩きつけられるボタユキにライトもそれに遮られて…。スポーツカーは緩斜面の登坂で空転させてましたね。券一枚で七袋(中サイズ)ゲットできました。飯盒で戴きたい気分です。掻く雪が酒蔵の醪だったらなぁなんて想像しながらぁ~…。
muha様
いつだったか東京に大雪が降った日。上り坂の交差点で、交通整理のため出動した警官たちが車押し係になっているのを見ました。急に積もったので殆どの車がチェーンなし。発進と共にブワーッと雪水を浴びてドロドロになり、いつもは煙ったい警官もお気の毒な光景でした。あれを見てから、雪の日のドライブは避けています。
muha様はご無事で何よりでした。