秋の岩手旅行その1(一関・平泉)

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仙台駅を過ぎたら、車窓の両側は稲刈りの終わった田んぼが続いている。
まるで広大な道場。毛羽立った畳が並んでいるかのように見えた。

朝9時台の東北新幹線に乗り、一ノ関駅に着いたのはお昼前。岩手といえば仕事で盛岡に来たことはあるけれど、旅をするのは初めてだ。

まずは腹ごしらえ。大正7年に創業した蔵元「世嬉の一(せきのいち)酒造」の敷地には、地ビールの醸造所や、酒蔵を改造したクラシカルなレストランも建っている。
せっかくだから珍しいもの、この地域で有名な郷土料理「もち膳」をオーダーした。ハレの日に食べる料理で、つきたての餅に添える「もちだれ」は何と200種類もあるという。
今日出てきたのは5種類(ごま、ずんだ、生姜、あんこ、かぼちゃ)の餅とお雑煮のセットで、女性向けの甘さ。箸休めに付いてきた大根の漬物に救われる。

蔵元レストラン
せきのいち店内
もち膳

お昼なので地酒はパスしたが、隣接した「酒の民族文化博物館」では約1,600点もの酒造用具が展示されていて、試飲もできる。
高さ3メートル、巨大な仕込桶からいったい何升の日本酒が生まれるのだろう。桶の中で記念撮影も出来るらしいが、見ているだけで酔っ払った気分になった。

酒の民族文化博物館
仕込桶1
仕込桶2

それにしても朝まで居た都心とのギャップ。日中でも殆ど人が歩いていないのだ。
人間よりも数が多いのは、田んぼの中に天日干しされた稲穂たちで、まるで案山子か藁人形のように見える。

人里を外れたら林の中をひた走り、隠れ里にある「風聞園」へ。
明治6年築の旧家から古材を用い、16年もかけて建てられたギャラリーだ。朽ちかかった手書きの道しるべが頼りなので、無事に辿り着けるかは運次第。
入り口の障子戸を開けると、おっとりとした奥様から三つ指をついてのご歓待を受け、こちらも恐縮の至りである。

風聞園1
風聞園和室
風聞園2階

「お好きな場所にお座りください」で、選んだ席は柱時計の音だけが響く部屋。
大きな梁の下にはレンガ造りの薪ストーブ。籠に生けた野草が目と心を癒してくれる。
ゆったりと、水出しコーヒーとお手製のお菓子を頂く。

風聞園2
風聞園の梁
水出しコーヒー

そして観光ならやはり、世界遺産登録が間近な平泉。奥州藤原氏三代の歴史を訪ねて歩く。
まずは松尾芭蕉が『夏草や兵どもが夢の跡』を詠んだ、毛越寺の浄土庭園。大泉が池に流れ込む「遣水(やりみず)」の脇には萩の花が紅を添える。

観光バスが次々やってくる中尊寺では、『五月雨の降残してや光堂』の金色堂。その近くにひっそりと佇む白山神社の能舞台は、長い年月に晒されて侘び寂びの色合いだ。

浄土庭園

中尊寺1
中尊寺2
金色堂
白山神社能舞台

初めて訪れた北の古都は、東京よりも日没が早いことに今更ながら驚く。
観光客が消えた裏道。杉木立を渡っていく風の響きが、平安貴族の衣擦れの音に聴こえた。
明日はもっと北へ上る。

コメント

  1. たけぞう より:

    平泉は僕も行きましたよ。今宵は静かにみちのくの空の下・・・パソコンもって行って仕事ちゃんとやってますかーっっ! 飲んだくれてちゃだめですよー。土産話聞けるの楽しみにしてます。

  2. yuris22 より:

    たけぞう様

    パソコンを含む商売道具のおかげで、うんうんと重い荷物となりました(;_;)
    今夜は北上のホテルに宿泊してますが、飲みに出る時間に合わせて集中豪雨。
    小さな川が氾濫するのを見て、大人しくするしかありません。

  3. 亀吉 より:

    >飲みに出る時間に合わせて集中豪雨
    わ~はははは!飲むなってことですよ。

    都会の喧騒から離れていいね。
    でも、寒いんでないの?

  4. yuris22 より:

    亀吉様

    泊まったホテルの最上階に、星が見えるスカイスパと露天風呂があるん
    だけど、全く意味がありませんでした(;_;)

    気温は東京とあまり変わりありません。
    昼間はTシャツで大丈夫。
    空気に山の気が感じられて、どこでも深呼吸できるのが最高です。

  5. Grayman2006 より:

    平泉には、出張(仕事)のついでに、何度か訪れたことがあります。
    奥州藤原氏三代による、
    極楽浄土を模した黄金文化で統治した、
    その当時を偲ぶことができる平泉です。
    何度行っても、その度に趣が異なり、とても良い処だと思っています。
    運良く、もうつう寺(毛越寺)で催される「曲水の宴」を観たこともあります。

    そして、
    俳諧の主従、芭蕉と曾良が歩いた「奥の細道」に憧れます。

    暇を見つけて、ゆっくりと時間をかけて、
    撮影を楽しみながら巡ってみたいと願っています。
    奥の細道の全行程を旅したい、奥の細道の“歌枕を巡る旅”をしたいと考えています。

    本日のブログ記事で、懐かしい土地、懐かしい場所に思いを巡らせました。
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  6. 髪結いの亭主 より:

    先日 京都・大阪で今回は東北ですか・・・

    「DISCOVERY JAPAN!」?

    でも「木、緑、水、空気の自然のささやき」には癒されますね。

  7. yuris22 より:

    Grayman2006様

    曲水の宴をご覧になったのですね。羨ましい。
    今回は紅葉の季節には早すぎましたが、そこまで色彩の贅沢を味わうと
    もう帰りたくなくなってしまいそうです。

  8. yuris22 より:

    髪結いの亭主様

    今回の旅は「再生と癒し」がテーマなんです。
    特に樹木と水が与えてくれるパワーは神様の贈り物のようです。
    明日もリフレッシュ!

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