ウレタンマットレスの三角陣地

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子供のころ両親が出かけている間に、お客さん用のウレタンマットレスを立てて、三角の隙間を陣地にして遊ぶことが好きだった。籠城用に持ち込むのは漫画とお菓子だけでなく、宝物としているガラクタや明日の着替えまで奥に詰め込んで、入り口にはカーテン代わりにシーツを垂らす。これで地球に宇宙人が攻めてきても大丈夫!と、六畳一間の片隅で「なんちゃって」シェルターに籠るのは至福の時間だった。

さらにもう一つ「なんちゃって」の代表格は、小学生のころ毎月楽しみにしていた「学研の科学」。学校から戻るとランドセルを放り出し、雑誌はそっちのけで付録を取り出す。コイル電池作りや鉱石標本セットも面白かったが、鮮明に覚えているのはカメラだ。説明書きを見ながら安っぽいパーツを組み合わせてぶきっちょに完成。ワクワクしながら撮った写真は小さくてピンボケのモノクロだったが、こんなカメラで写真が撮れることが最高の「なんちゃって」だった。その後の付録で現像セットにも小躍りし、家族旅行で撮ったフィルムを自分で現像できることに感動して、アルバムをネガサイズの小さな写真だらけにしたこともあった。原理は分からないままだけど、おもちゃ以上に楽しめたと思う。

簡単で自分の支配下に置けて、必要なものが凝縮された「なんちゃって」ミニマム。もしかしてスマホを代表とするタブレット端末が流行っているのも似たような心理なのだろうか。WEBページを閲覧するのにパソコンを起動せずとも、スマホの画面を指で上下左右にスライドすればおよそ全容が分かる。掌に入るチマチマした空間でショッピングも読書もゲームも出来ちゃうとは、遊び心を充分にくすぐるアイテムである。

ウレタンマットレスの陣地、「学研の科学」の付録、スマホ。共通点を探していけばバカ売れする商品が生まれそうな気がするが、今の私は妄想を巡らす柔らかい頭を持っていない。抱えている固くて小難しい原稿の締め切りを終えたら、戻れるだけ子どもに戻ってやるんだとマグマを溜めている。

コメント

  1. こまちゃん より:

    「科学と学習」懐かしすw

    学習は付録がダメで、漫画もある科学が好きでした。

    「まだかなまだかなぁ~学研のおばちゃんまだかなぁ~」って

    CMやってましたねw

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