ゴールデンウィークの鎌倉は駅もバス乗り場も人で溢れかえっている。平日は閑古鳥の鳴いている飲食店に長蛇の列ができて、観光客も国際色豊か。世界遺産に登録されるか否か、ユネスコの決定が6月に迫っている。
しかし一人歩きには賑やかなメイン通りではなく、一本裏通りへ入れば普段のままの静けさ。花盗人ならぬ花撮人になって、民家の軒先に咲く花たちをデジカメに収める。
鎌倉えびすの大覚寺は商売繁盛を祈願する人たちで混んでいるので、その向かいにある妙本寺へ。1260年に創建された日蓮宗の本山で、国木田独歩が「鎌倉妙本寺懐古」にて「夕日いざよふ妙本寺 法威のあとを弔へば 芙蓉の花の影さびて 我世の末をなげくかな」という寂寞とした詩を残している。
しかし私は夕日と芙蓉の妙本寺よりは、初夏の昼間に新緑を鑑賞しに訪れるのが好き。山門をくぐると両側には背の高い木立が続いて、向こうから人力車が走ってくる風景が様になる。裏山が迫った谷戸に建つ古刹を眺めながら、何も考えずにボーッと座っているのが心地良い。若緑のモミジの葉が風にサヤサヤと揺れる音を楽しんで、大町四つ角の和菓子屋で買ってきた柏餅を頬張る。
我が家と鎌倉間は歩いて30分ぐらいの距離だ。キャップをかぶりスニーカーを履いて、行きも帰りもウォーキングに励むとちょうど良い運動になる。久しぶりに見た鯉のぼりに子ども心を取り戻し、大潮の材木座海岸に降りて磯遊び。道草ばかりでカロリーの消費は期待できないけれど、こうしてブログを通して裏鎌倉の案内人になれたら本望である。
コメント
ご無沙汰しています(といってもブログは欠かさず読んでいます!)
連休の鎌倉はやはり混雑していましたか…。
老後は鎌倉でひっそりと穏やかに暮らしたいな~、と20代の頃から夢見ていますが、ゆり子さんのブログに出会ってから逗子にも惹かれはじめました。
歩いて30分と聞いてもっと興味が!これからも地元スポットを紹介してくださいね。
華莉様
いつも読んで戴いてありがとう(^^)
逗子は鎌倉に比べてローカルでも、東京方面の電車に乗るには便利です。横須賀線が後ろに5両連結されるので朝でも座れるんですよ。終電も改札口の外から「待って~」と叫べば、ドアを開けててくれたりします。鎌倉育ちの私ですが、今は逗子に住んで良かったと思っています。