舛添知事に捧げたい「銭のほかに名誉あり」

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どこに行っても、舛添要一都知事の話で持ちきりだ。今や「せこい」の代名詞。漫画「つるピカハゲ丸」のキャラに合致するらしく、「つるセコクーポン知事」というあだ名まで付いてしまった。今年の流行語大賞になるのでは?と笑いがこみ上げてくる。

政治資金問題について行われた記者会見で、敏腕弁護士2人による調査結果は、不適切でも違法性はなし。もともと政党交付金の使途に関する制限がないのだから、罪を負わせるのは無理な話である。しかし人間としては如何なものか、反省して「不退転の決意で信頼回復へ仕事にまい進する覚悟だ」と頭を下げても、都民の怒りは収まらない。

美術品は寄附する、湯河原の別荘は売却すると言いつつ、6月末に380万円のボーナスを受け取ることが確定した。既に4~5億円の資産があるのだから、任期が終わるまで給料をカットするぐらいの度量の大きさを見せて欲しいものだ。

カネの亡者であるばかりか、自らをトップリーダーと称する舛添氏には、福沢諭吉の「福翁百話」、九十二「銭のほかに名誉あり」をぜひ読んで戴きたい。金満家がぜいたくを見せびらかすのは一身の名誉を得るためであって、それ自体は悪いことではないが、もう一歩進んで、カネ以外の場所にも心の安らぎを求めて、名誉の偉大さを知ってほしいと語っている。

「現代のいわゆる大富豪の中には、きわめて貧しい境遇から身を起こした人もあろう。富裕は、本人独りだけでなく、国のためにも祝うべきことなのだが、家が繁盛すると共に、その人の気品もそれに伴って上昇したかどうかすこぶる疑わしい。

もしかして財産だけが今日の富豪であって、その人品や考えることが依然として肩にてんびん棒を担いだ貧困時代のままであったなら、たとえ現在の衣食を美しくし、交際を盛んにし、またその身に何とか会議員などの栄誉を担おうとも、それは身分の卑しい召使に大金を持たせ美しい衣装を着せて世間に突き出し、公的な会に列席させたのと異ならない。

その金を奪い身に付けたものを除いてしまったときは、たちまち元の正体を現して、残るものはただ無学・下劣・粗野な身体があるだけである。なんと殺風景なことではないか」
(『福翁百話』現代語訳 角川ソフィア文庫より引用)

「長」がつく地位にしがみつき、赤いリボンの胸章をして踏ん反り返る方々にも読んで欲しい一節だ。知らず知らずのうちに世間の尊敬を広く得ること、もとめざる名誉こそが人格の美だと思うのである。

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