悪役は美女を殺す

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上流社会への喰い込みを狙うイケメンのテニスコーチ。つい手を出した女優の卵が出世の邪魔になり、殺人に手を染める。
「ベッカムに恋して」から一変したジョナサン・リーズ・メイヤーズ。逆玉狙い男の役は、長いまつ毛のルックスに似合ったハマリ役だ。

映画を見るにつれ、モンゴメリー・クリフト主演の「陽のあたる場所」を真似ているのかと思った。アラン・ドロン主演の「太陽がいっぱい」の成り上り男にも似ている。
しかし罪は成敗されるのではなく、刑事までも騙して上手く収まったというラストシーン。意外性に思わず手を叩き、ククッと笑いがこみ上げて来た。ヒチコックが見たら呆れかえる「否・勧善懲悪」かもしれない。

ニューヨーク大好きのウディ・アレンが、初めてロンドンを舞台にして撮った36作目「マッチ・ポイント」の感想である。

これまで抱いていたウディの印象。
お世辞にも素敵とは言えない見た目で、自分の映画にモテモテ役で登場しては、七めんどくさい屁理屈ばかりを喋るエグゼ?
ただしこの作品での皮肉っぷりは、尊敬に値しうるほど計算されているのは何故?

・・ってとこまで書いて、映画を見ている間も、実は違うことばかり考えていた。
勝ち負けの不条理ではなく、スカーレット・ヨハンソンが演じたセクシーでひたむきで、男にすがらずには居られない美女の性(さが)についてである。

彼女は誘惑される経験値について答える。
「男が夢中になるからよ。私って特別な女性なの。決して後悔させないわ」。

せがまれて追いかけられて、土砂降りの草むらで2人は身体を重ねあう。
その瞬間、今まで優位に立っていた女は、男の下敷きになるのだ。

やがて逢瀬の時間が少なくなることに対して、男の返事は「愛と愛欲は違うんだ」。
不妊治療に通う妻がやっと妊娠したときには、とっくに女のお腹にはセックスの代償が宿っていた。そして殺される。通り魔殺人の被害者として葬り去られる。
男は首尾よく犯人にはされずにエンディングロールが流れ、上流社会はますます繁栄していく。

なぜなぜなぜ?
これって主人公の男も含め、ウディ・アレンも含め、歪んだコンプレックスを抱えた男の理想じゃないの? ロバート・レッドフォードなら撮らない映画かもと、女だったら願う。

そう思うと、最近気になっている誰かさんが可愛くなってきた。
あなたは決して悪役ではありません。私も美女ではありません。お互いに精いっぱい長生きしましょうね。

コメント

  1. あいか より:

    愛してる女は 、だけど 君は大嫌い~

  2. yuris22 より:

    あいか様

    「大嫌い」ありがとう。
    でもメロディに、はまってませんね(笑)

    IPアドレスで誰だか分かっちゃったけど。

  3. たそがれ より:

    >これって主人公の男も含め、ウディ・アレンも含め、歪んだコンプレックスを抱えた男の理想じゃないの?

    うん、種まきしたいのは男の性。
    でも、自分が這い上がる為に「命を奪うか?」は歴史文化の違いを感じるなぁ(大家族で仲良く暮らしたい・・・これも欲望か)。

    これまで抱いていたウディの印象は同感
    自信一杯で、女性を口説いて、
    結局「議論、議論・・・・・>>自滅! ワウォ!」

    欲望のぶつかり合いの結果を描きたいのか???

  4. yuris22 より:

    たそがれ様

    こんなに後味の悪い映画は久しぶりでした(笑)・・なんてことは今だから言えます。

    映画評論をしてた頃、配給会社の試写室で毎日2~3本ずつ新作を見ていたのですが、困ったのは見終わるとスタッフから「どうでしたか?」と訊かれることでした。

    「なんか褒めなくちゃいけない」は見透かされてしまうのに、必死に感想を探した・・。恥ずかしい時代の思い出です。

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