土砂降りの渓流釣り場にて

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鬼怒川の天候は、山のこちら側と向こう側とでクルクル変わる。
早めに到着した旅館で渓流釣りが出来る場所を教えてもらい、川治・湯西川方面に走っていくと、トンネルを抜けた途端に大粒の雨が降り始めた。

五十里湖を過ぎ、三依(みより)渓流つり場の看板を左折すると、完全な土砂降り。
川のようになった小道を約2キロほど走って、男鹿川の岸辺に長屋ふうの家屋が建っている釣り場に到着した。

食堂

とりあえずは遅めのランチを取ろうと食堂に駆け込む。
テーブルでは釣り人たちが、合羽を着たまま口数少なに空を眺めている。

イワナ、ヤマメ、マスの塩焼きを頼むと、さっそくおじちゃんが立ち上がり、生簀の脇で魚のはらわたを出して串に刺す。
自在鉤の下がった囲炉裏で焼きあがるのを待つ間、おばちゃんご自慢の山菜の天ぷらを戴いた。

囲炉裏
山菜のてんぷら
焼き魚

隣のテーブルでは女将さんとおじちゃん、おばちゃんのおやつタイム。甘い栗カボチャの煮物を分けてもらい、話の輪に加わっていると、軽トラックに乗ったご主人が見回りから帰ってきた。

日光市の市議会議員をしているというご主人は50代半ば。
学校を出たあと役場にたった1日勤めただけで、その後は数十年に渡って釣り場造りの開墾に励んできたという。
岩盤が硬く1日にたった1メートルしか開墾できない日もしばしば。それでも幾つもの釣り場やバーベキューサイト、うど畑、養魚場、ミニゴルフ場など、1人でもくもくと広げてきた。

渓流釣り料金
渓流釣り場
メグスリの木

三依は人口500人の小さな村。
少しでも活性化させようと、腰が重い住民を説得して盆踊り大会を企画したり、介護・医療問題に取り組んだりと、本業以外の活動も大忙しである。
学生時代は生徒会長で高校野球児だったという面影は今でも健在だ。

働き者のワンマン亭主。釣り場を守る女将さんが溜息をつきながら、でもそんなお父ちゃんが大好き!と目で微笑みながら、隣で相槌を打つ。
ランチだけのつもりが3時間も滞在して、きゃらぶきと山椒の佃煮のお土産まで戴いてしまった。

また年内に遊びに来ることを約束して、願わくば今度こそ渓流釣りが出来る事を期待して、小降りになった雨の中を車に戻った。
旅の楽しみは、行く先々で人情に触れること。温まった心がもう一つのお土産である。

コメント

  1. こまちゃん より:

    上三依塩原駅近くに売っている山葵漬けが絶品です。
    岳父が亡くなって、暫く行っていなかったんですがお陰様で思い出しました。
    キャラブキも美味しいんですよねぇ。食べたいw

  2. 素浪人 より:

    雇ってもらえんかな? いいなぁ。

    管理様、えさをつけれるようになったあ?

  3. yuris22 より:

    こまちゃん

    山葵漬けですか!
    炊きたてご飯に乗せて食べると更にいい香りですね。

    今回貰った自家製の山椒佃煮は絶品でした。裏の畑で採れたものだそうです。
    お試しあれ!

  4. yuris22 より:

    素浪人様

    ふふふ。渓流釣りの餌はイクラです。
    ちなみに先週の舟釣りの餌はエビでした。

    もちろんイソメ、ジャリメなどのクネクネ系はキャーッ!でございます。

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