毎日続いた雷雨が小休止と知った昨日、日帰りの小さな旅がしたくなった。そうだ、箱根に行こう。車なら逗子からワンドライブ圏内の観光地も、マップ片手に横須賀線・東海道線・箱根登山鉄道と乗り継いで行くと、充分な旅行者気分に浸れる。
スイッチバックしながら走る電車。箱根湯本駅から勾配を上って彫刻の森駅で降りるとまだ秋には程遠く、歩くと汗が滲んでくる。駅前の「そば処 奈可むら」でさっぱりと辛味おろし蕎麦を食べて、彫刻の森美術館のゲートをくぐった。
芝生の上をトンボの群れが飛び交って涼しげではあるが、屋外展示の彫刻からは直射日光の眩しい照り返し。ピカソ館手前に静かな木陰を見つけてベンチで一息ついた。
ふと見上げると、思わず登りたくなるような木の梢。柔らかい秋雲が浮かんだ青空と箱根の山々に向かって、くねった枝が手を伸ばしている。もし私がハックルベリー・フィンだったら、帰りのことなんか何も考えず、月が出るまであの梢に座っていられるのに。忘れていた子どもごころが目を覚ます。
残念ながら明日は明日の用事があるため、大阪のおばちゃんみたいな「ミス・ブラック・パワー」にドスコイ!の活を入れてもらって帰途へ着いた。お土産は一つも買わなかったけれど、箱根の木漏れ日がいっぱい降り注いだ帽子は、小さな旅のちょっと物憂い記念品である。
コメント
失礼かもしれませんが、さらに一段上がられた気がします。
的は逗子の素浪人様
えっ、一段上がった? 何でしょう。
もう一駅上がると強羅だったのですが、硫黄臭い温泉に入れなかったのは心残りです。
8月だと登山鉄道沿いの紫陽花が残ってたりしますよね。軽井沢ほどお高くとまった雰囲気は無く、暑い中にもそれなりの涼しさがあって素敵だと思います。
こまちゃん
小ぶりな水色の紫陽花が沢山残っていました。
早川を見おろし、緑の中をゴトーンゴトーンと走る登山鉄道は、乗ってるだけで旅気分ですね。また箱根に行きたくなっちゃった(笑)