突然解雇された友人からの電話

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夏のイベントも終わり、仕事に本腰を入れる9月が始まった。そこへ友人から「私、会社をクビになっちゃった」という電話。彼女は日本の超大手生保に勤めて8年目になるが、顧客書類の本社到着が一日遅れたことで稟議にかけられ、8月末で会社を退職するようサインさせられたという。書類未達は事務のミスだと分かり課長も認めたというのに、本社命令なので辞めて貰うしかないと突然の解雇だったそうだ。

彼女が抱えていた数百人の顧客データはその場で没収され、勉強と試験とで積み上げてきた資格も無くなり、労働基準監督署に駆けこんでも埒があかない。「悔しくてたまらないから貴女のブログに書いてちょうだい。このあいだも酷い嫌がらせをされたのよ」と怒り心頭の様子である。それは1カ月ほど前のこと、顧客のお金を使い込んだ疑いをかけられ上司に呼び出されたのだという。

絶対にあり得ないと抗議したところ、「君、酒臭いね。朝から飲んでるの?」と予期せぬ質問。「これはシャンプーの匂いです。疑うんなら嗅いで下さい!」と反論すると、鼻を近づけてクンクンと髪の匂いを嗅がれたそうだ。

踏んだり蹴ったりなことに彼女は、車で会社に到着する直前に、一方通行侵入違反で警官に違反切符を切られていた。もしも酒臭ければその場で捕まっているはず。使い込み疑惑にハメられ、セクハラされ、自分のミスじゃないのに解雇されて、たぶん解雇には他の理由があったんだろうと世知辛い企業の内情を思った。

「とりあえず失業保険は出るだろうから、当分のあいだボーっとしてるよ」
不当解雇を訴える元気すらなく、彼女の心には侘しい秋の風が吹いている。私ができる手助けは依頼を受けて、固有名詞を出さすにこうしてブログに書くぐらいだけれど、経済状況が一向に好転しない日本ではどれだけの労働者が職を失っているのだろうか。

コーヒーを入れにキッチンへ下りると、テーブルにはお腹を広げてエアコンの風に当たる与六の姿があった。電気代値上げなんて関係なし。次に生まれてくるときは猫になりたいと、能天気なペットが羨ましい9月の始まりである。

与六

コメント

  1. 通りすがりのものです。 より:

    たまにふらっと立ち寄らせていただいているものです。私もとある業種(あなた様とも少々かぶる部分あり・・)フリーランス20年です。
    今日はいたたまれずコメントを・・
    というのも私も昨日、休日だというのに
    種類は違えど、このごろの大手会社はいったいどうなっているのだ?!
    という話を友人から聞かされたばかり・・

    金銭的なものもさることながらメンタル的な
    部分をも打ちのめされることが多いですね。
    かくいう私もここ数年疲弊すること多し・・

    それでも、前向きにやっていくしか
    ないのですが、どこまで精神力がもつやら・・
    と思う次第です。

    ご友人がまた前向きになられて素敵な職場に
    出会えれば・・と思うばかりです。

    いきなりのコメント失礼しました。

  2. yuris22 より:

    通りすがりのものです様

    なんだか最近バタバタと、先行きの暗い話が多いのです。
    夏が終わればすぐ年の瀬がやってくる日本。寒風に吹かれながら年を越せない人がどれだけいるのでしょう。明日は我が身かもしれません。
    親しい者同士が寄り添い合いながらコミュニティを作り、東南アジアにでも引っ越したいと思うこの頃です。

  3. マービン末松 より:

    カサブランカ様 お久しぶりです。
    ひどいですねー。その会社。やっぱり、自分を守ってくれるのは法律しかないようですね。マービンはこういうことになると、自分の行いは棚に上げて、”正義の味方”いや、”月光仮面”いやいや”海底人ハヤブサ”になってしまうのですよー。意味不明ですが、気はすこしおかしいだけです。事実関係を大体総合すると、こうなると思います。
    所詮法律的にはということですが、労働契約を会社側から解除するには(平たく言えばクビにするには)会社側に解除をする正当な理由がなければできません。ご友人には、何ら落ち度がなく、提出書類の期限をとかしただけでは、それによって、会社に損害を与えたとかそのような事情を会社が立証しなければならないでしょう。そんなことはできないのでしょう。そもそも、遅れたというのは、ご友人のがわに落ち度があったのではないようなので、そもそも、”遅れてないですよ”。なんら、会社側に解雇できる正当な理由などないですよ。大事なのは、友達に頼んで、ブログに書いてくれじゃなくて、弁護士に相談して”解雇無効”の確認の訴えをだしたり、もし会社に戻られる気がないなら、会社に損害賠償の請求をされるように、おはなしされたらいかがでしょうか。大体、会社は、女性を軽く見るというか、舐めてますよ。そういうときに、泣き寝入りにちかいようなことをしては、男社会の会社の思う壺です。たちあがって、会社の非道を断罪するようにじょげんされてはいかがでしょうか。”女を舐めたらあかんぜよ”ぐらいの凄みをきかせて、会社に立ち向かって欲しいなーと思いました。

  4. デフレット より:

    アカン、僕、解雇どころか、採用出来てない。偏差値悪いですから。

  5. yuris22 より:

    マービン末松様

    友人は訴訟を起こす気力もなく、しばらく休養を取ったら転職先を探すと言っています。でも重い腰を上げるまでは、たぶん数か月はかかるだろうな。
    生保会社は男社会というよりも、裏に女の嫉妬や嫌がらせが渦巻いているそうです。大奥みたいですね。

  6. yuris22 より:

    デフレット様

    アカンのは雇用対策が全く進まない政府です。このままじゃ国民は年を越せなくなります。

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