渋滞の首都高を抜け東北道をひた走り、一昨晩は磐梯熱海温泉、昨晩は那須高原に泊まった。
こちらではススキの穂が風にたなびき、既に小さな秋が始まっている。避暑客も徐々に減り、やがて落ち着いた景色が戻ってくるだろう。
牛が柵越しに愛嬌を振りまく牧場を通り過ぎ、人影のない別荘地に立ち寄った。
同乗者の学生時代からの友人が自ら建てたログハウスがあるという。
記憶を辿って曲がった小道に探し当てたその家は、生い茂った雑草の中にあり、玄関までの通路さえ無くなった暗い廃墟となっていた。
家族の反対を押し切り、早期退職金をつぎ込んで建てた家。
外装が出来上がり、これからゆっくりと内装をという時に、家主は通勤途中の駅で5年前に突然死してしまったそうだ。
お風呂もトイレもない、男の牙城をどうしたものか、残された家族は持て余したまま放置しているらしい。
きっとこのまま枯葉の秋を越え、屋根に雪を積もらせ、緑が芽吹く春を向かえ、誰もドアを開けることのないまま四季を繰り返して行くのだろう。
不動産不況の深刻な波を受けている別荘地。
こんな寂しい家が何軒あるのだろうと、ため息がこぼれた。
せめても元気な笑い声を後に残し、今日はこれから鬼怒川方面に向けて出発する。
コメント
ホントいい直感です。相模灘グラグラです。お見通しでしたかッ!利根川彼処の橋怖ッ!濃霧くれぐれも…色々出ますから~…‥色々
人間のことなど関わらず季節は、地球は動き続ける。
きょう、木々に緑のまだ小さなどんぐりが付いているのを見つけた。
muha様
福田首相の突然の退任を聞いた時、これで当面の地震は回避されたなと感じました。
少なくとも人々の関心が総裁選に向いている間、大地震は来ないように思います。
もちろん国民が日本の政治に愛想を尽かさない事が条件ですが・・。
濃霧と言えば、那須から鬼怒川に抜ける道では晴れたり降ったり霧が出たり・・と、
天候の変化が著しかったです。
それでも頑張ってご主人様を守ってくれた車に感謝。
久しぶりのロングドライブでした。
素浪人様
露天風呂に入っていたら、何かが背中をツンツンする。
振り向けば小さなドングリが浮かんでいました。
毎年秋に出会う季節の贈り物に、今年も微笑まずにはいられません。