年齢にあわせて心の衣替え

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やっとのことでパソコンが復活した。ノイズなく奏でられる起動音に幸せを感じる。仕事をする上でパソコンは私の手足であり、日々のデータバンクだからだ。

長時間にわたるリカバリに伴って、溜め込んだデータの保全をしながらずっと考えていた。昔だったら有りえない容量の××ギガバイトだ。果たしてこのデータは徹夜して守るほど必要なのかな。もしもハードディスクがクラッシュしたら、あ~あ(;_;)で諦めがつく程度じゃないんだろうか。

例えばマイピクチャーに保存している写真。デジカメで撮ったものはサイズが大きくデータ移動には時間がかかる。散歩の途中で夕焼けのビーチに感動して撮った写真が、二度と見られないほど保存価値があるのかと、データの転送速度を見ながら悩む。いっそ消してしまおうか、いやもったいないと、いちいち決断を迫られながらマウスを握る。

今日は午後からオフィシャルな席に出かけるため、パソコンのお守りを一時中断。ウォーキングクローゼットで、レールに下がった服を掻き分けながら思った。こんなに沢山の服があっても着るものは限られている。一張羅のブランド服だって、食事してウエストが苦しくなると思えば、クリーニングのタグをつけたまま次の機会に延ばしたい。

3月中旬にして気温が20度を越えたせいか、帰り道に衣替えと大掃除を考えた。本当に必要なもの数着だけを残して、要らない冬物は一切合財始末してしまおうかと、スッキリさっぱりしたクローゼットを思い描いた。

それは服に限らず、ダンボール箱に詰め込んだ思い出の品についても同様なことを思う。もしも私が死んでしまったら、形見分けするほど価値があるものが残っているのだろうか。自分の頭と心と身体以外は、絶対に必要なものなどあるのだろうか。

形あるものは埃を被るまで溜めこまなくても、新鮮な状態のままで記憶の中に入っている。記憶ほどコンパクトでお金のかからない倉庫は他にない。
歳をとるほど頭と心の容量はプラスに、パソコンとクローゼットの容量はマイナスに。今の忙しさが落ち着いたら、大掃除を決行しようと思っている衣替えシーズンである。

コメント

  1. 風小僧 より:

    確かに眠っている服はたくさんありますね。
    処分すればいいのにと思いながら・・・
    今の自分の姿形では到底着れない服だけど、何を期待してか今でもぶら下がっていますね。
    思い出を残したいのか、いつか着れると思っているのか・・・
    最近は塾部屋の毎日だけに着飾る必要も無いと思いつつ

    女子高生は見てるからな~
    「先生おしゃれ!」と言われる事もあり、期待もあり・・・
    だから、まだ増え続けています。

  2. macoto より:

    はじめまして♪
    とても読み心地の良い文章ですね。

    必要なものってよく考えるとそんなにないですよね。
    シンプルに暮らすとより大切なものは焦点が合いやすい気がします。

    とはいえPCの最低限のバックアップは取りますけどね。
    また読みに来たいと思います。

  3. yuris22 より:

    風小僧様

    素材と仕立ての良いスーツを着ている男性は、知的なセクシーさを感じます。
    でも取っかえ引っかえ毎日違うスーツでは、浪費する対象を間違えているのでは?と思ってしまう。数着のスーツを大切に着まわし、ワイシャツとネクタイの組み合わせでいかに新鮮に見せるかが、大人のおしゃれなんでしょうね。
    ただし休日はどこへ行くにもゴルフウェア・・というのは、オヤジウェアの範疇に入るかも^^;
    普段着は少年の心に戻ってほしいと思っています。

  4. yuris22 より:

    macoto様

    いらっしゃいませ(^_^)

    雑誌クロワッサンに出てくるような、シンプルな暮らし方は昔からの憧れです。引越しのたびに仕切り直しするのですが、いつの間にかゴチャゴチャと物が増えてしまいます。人生とは常に我欲との戦いなのでしょうか。
    macotoさんのエコライフ、参考にさせていただきます。

  5. 素浪人 より:

    拙者もため込むほうです。

    特に「心」と直結している物は、捨てることさえ頭に浮かびません。特に…手紙。

    きっと死んだ時に、残った者たちが思いきっり整理するでしょう。それまで一緒に暮らそうと。

  6. yuris22 より:

    素浪人様

    捨てるに捨てられない手紙や写真。私も沢山ありますが、死んだ後でも見られちゃ恥ずかしい・・。これは穴でも掘って埋めとかなくちゃいけません。

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