庶民の道で出会うもの

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のどかな昼下がり、郵便局に行こうと小川沿いの遊歩道を歩いた。もっと広い道はあるのにわざわざこれを選ぶには訳がある。
草木が茂った左側の崖からは季節が読み取れ、右側に並んだ家々からは生活の匂いがしてくる。誰かにすれ違えば「今日は暖かいですね」と挨拶せざるをえない、言わば庶民の道なのだ。

遊歩道

道の途中で必ず出会うのは一匹のセキレイ。去年の夏までは「つがい」だったのが今はシングルなのは、メスにふられたのか先立たれたのか、二匹で暮らした思い出の地をいまだ離れずにいる。
私が歩いていくと逃げるでもなく、ピチュピチュッと鳴きながら先案内。車道まで連れて行ってくれたところで、「もういいよね?」とでも言うようにバタバタッと飛んでいく。

商店街の喫茶店からは女主人が手を振り、郵便局では見慣れたガードマンのおじさんが「ども」と頭を下げ、ププッとクラクションで合図して友人の車が通り過ぎ、ランチを食べに入った食堂では「寒ぶりのあら煮」がおまけで出てくる。

お腹いっぱいになった帰り道、ニット帽を被ったおじいさんが大切に手入れしている梅の花をカメラに撮らせてもらった。そよ風に揺れる水仙も定位置で春を先取りしている。
これは去年も見た風景だなと、すっかり環境に溶け込んだ自分を想う。心にやさしい庶民の道をつっかけで歩き、私はこの町の家族になった。

梅の花
水仙

コメント

  1. ツネ2 より:

    都内の住宅のある裏道をなるべく歩きます。
    小さな庭や玄関先には手入れされた植木が季節を感じさせてくれます。
    表通りにはイチョウの並木道と道路沿いの植え込みしかありませんね。
    歩いていてもみなさん目を合わすことがありません。

    街中の生活と違い季節感、人の生活感がありいいですね。

  2. yuris22 より:

    ツネ2様

    都内だったら下町の裏通りもいいですよね。
    特に打ち水をした夏の夕方。引き戸の玄関は開けっ放しで、中からテレビの相撲の音が聞こえて、団扇を持った下着姿のお父さんが寝っころがってる。
    思わず上がって一緒にビールを飲みたくなります(笑)

  3. 素浪人 より:

    崖の淵を猫みたいに歩きたいなぁ、なんかぽかぽかしてきた。

    寒ブリを 食べて梅を見る 遊歩道

    さあ、一杯…いっぱいのワイン? 日本酒?

  4. yuris22 より:

    素浪人様

    昼間っから飲んじゃうと一日が終わってしまいますからね~。でもそれを快しとするのが、湘南人でもあります。飲み会の理由は一月中であれば新年会。同じ仲間で何回でも催します(笑)

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