「いらっしゃいませ、デニーズヘようこそ」
ファミリーレストランの中でもこの挨拶が好きで、時々遅めのブレックファストに出かける。行く店舗はいつも決まっていて、海を見下ろす崖の上に建つデニーズ葉山森戸店だ。海を見るだけなら逗子店の方が家から近いのだが、観光客が多いのが好きではなく、ドライブがてら葉山森戸店まで足を伸ばす。
1階に車を停めたら、悪天候でない限りは2階奥のテラス席へ。コートを着たまま冷たいプラスチックの椅子に浅く腰掛けて、モーニングセットをオーダーする。風はブルッと冷たいけれど、雲間から差し込む日差しは確実に春の光線。あと1ヶ月も我慢すれば潮風が心地よいシーズンがやってくる。
コーヒーが来るまで、テラスから顔を出してビーチを観察。5艘のシーカヤックが波打ち際に並び、漕ぎ出す準備を始めている。やがて一艘一艘、長いオールを左右に動かしながら岩場を擦り抜け、凪いだ銀色の海へと遠ざかっていく。
裕次郎灯台の沖には白い帆のヨットたちが風にすべり、さらに向こうには江ノ島。薄曇りなので富士山は見えなかったけれど、晴れていればここから4月9日~10日ごろ、日没に「ダイヤモンド富士」という現象を拝める可能性があるらしい。
これは富士山が東か西の方向に見える場所から、気象条件がよければ年に2回見ることができる貴重な現象で、富士山の頂上の真ん中に太陽が重なるという。
「富士山頂から太陽が昇る瞬間と夕日が沈む瞬間に、まるでダイヤモンドが輝くような光景が見られることがあり、この現象をタイヤモンド富士といいます。富士山と光輝く太陽が織りなす光景は、まさに自然の芸術といえます。」
(「関東の富士見百景~ダイヤモンド富士」より引用)
ピーヒョロロという鳴き声に遠くを見れば、弧を描くトンビの群れ。ハッと気づくとテーブルの真上にもトンビの羽根の影が出来ていた。お皿に乗ったパンやベーコンを狙っているらしい。食べ物を急いで片付けて、コーヒーをもう一杯。冷えた身体を暖めに、三浦の立ち寄り湯へと向かうことにした。
コメント
赤富士や富士の笠雲は見たことがある、先日沼津の数百メートルの上空から富士山を横に見ました、実に雄大でした。でも、ダイヤモンドはないなぁ。
富士山は不思議に見飽きません。さすがに日本一!
素浪人様
私も1月に御殿場に行って、巨大な富士山を見たときは思わず車を止めました。
いつかは頂上まで登って御来光を見たい!
元気で足腰の立つうちに、決行したいと思ってます。