秋は松茸のしゃぶしゃぶ

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昨夜は久しぶりの銀座。西五番街の京料理屋(店名は秘密)で懐石をご馳走になった。漆塗りのカウンターに座ると、両隣のお客は商社の接待といった雰囲気。こちらは生ビールで喉を潤したあと、「亭主吟味おまかせ料理」とやらをいただく。私が財布を持つわけじゃないけれど、「時価」と書かれているのが嵐の前の静けさみたいだ。

前菜に箸をつけていると、ご亭主が「このようなもので如何でしょう」と、筆でおまかせメニューを書いて持ってきた。「今日は良い鯛が入っております」と、イカとトロを加えて刺身の三点盛りが出てくる。冷やした白ワインがマッチする繊細な味だ。

おまかせメニュー

実はこのお店、昨年の秋にも一度来たことがあった。丹波の松茸フルコースをいただいて、特に「はもと松茸のしゃぶしゃぶ」が絶品だったのを思い出す。すると今夜も再登場。まだ時期が早いので丹波産ではないが、大胆に分厚く切った松茸は秋の最高の食材で、ニンマリと笑わずにはいられない。

ご亭主がカウンターの前に立ち、はもと松茸を箸でつまみ、グラグラ煮え立ったお湯の中で「1、2、3、4」と数えて小皿に取り出す。この厚みがたった4秒で煮えるのかしらと、ポン酢につけて試しにかじってみれば絶妙なシコシコ感。「うーん、おいしいっ!」。
「ご自分でやってみなはれ」と勧められ、その後は「1、2、3、4」、「1、2、3、4」を繰り返す。感激のあまり携帯で画像を取りたいところを、周りの雰囲気を考えてひたすら我慢した。

そこへ逗子の飲み仲間たちから携帯に電話。「何やってんだよ、ゆうき食堂で宴会やってんだから早く来いよ」。銀座にいると言ったとたん、聞こえてくるブーイングのコーラス。
きっと今頃、余った生シラスをホカホカに蒸したのを肴に、いつもの面々が酒盛りをしているんだろうな。船長ご自慢の新鮮なシメサバもあるに違いない。

天高く、ますます肥っちゃう味覚の秋。銀座の夜、逗子の夜、両方を跨げる足があったらいいのにと、日本に生まれた幸せを感じた夜だった。

コメント

  1. トモ より:

    うーん(●^ー^●)
    美味しそう!!
    秋っていいですね!!

  2. yuris22 より:

    トモ様

    これからはサンマも楽しみですね。夢は七輪で丸ごと焼く「サンマの塩焼き」。どこかで食べられないかなあ。

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