細魚(サヨリ)は旬の走りのお姉さま

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雪にならずに良かったものの、朝からこの冬一番の冷え込み。
春が恋しくて、せめても旬の走りの食材を探したくなる。

数年前までは、お正月になると新潟の農園からフキノトウが送られてきた。
降り積もった雪の下から掘り出した、無理やり見つけた春である。
それは山菜シーズンに出回るものより香りが強く、天ぷらにして2~3個食べるだけで鼻血が出そうなほど大満足。
過疎化と自然災害の影響で、今では掘り出してくれる人もいなくなったが、フキノトウたちにすれば命拾いしたことだろう。

今日探した一足早い春は小坪漁港の魚屋で、一山500円の「細魚(サヨリ)」。
サヨリの旬は3~5月なのだから、旬の走りどころか「旬のかすり」かもしれない。

サヨリ
サヨリ2

傷をつけるには惜しいボディを、まな板の上でしばし観賞。
子供の頃、湘南の浜で地引網に参加して、ピチピチと跳ねているのを数匹貰って帰ったのを思い出した。音楽の時間に習った、北原白秋の詩を口ずさんでみる。

  サヨリは薄い サヨリは細い
  銀の魚サヨリ きらりと光れ

  サヨリの家は ま水か塩か
  銀の魚サヨリ お姉さまに似てる

当時はどうして「お姉さまに似てる」のか疑問だったが、大人になって謎が解けた。
しなやかな流線形のボディ、小さな口(しかも受け口)といった風体から、魚界の美人・麗人と言われてきたらしい。
ところがお腹を開けば、現れるのは真っ黒な腹膜。「サヨリのような人」といえば「見かけによらず腹黒い人」を意味するのだそうだ。とんだお姉さまである。

お刺身は食べ飽きたジモティとして、さあてどう料理しよう?
鎌倉野菜で新鮮なバジルを仕入れてきたことだし、ガーリックを効かせた地中海風のソテーにして頂こうかな。
春を通り越して、今夜の食卓は初夏の走りになりそうだ。

コメント

  1. 素浪人 より:

    ジモティはいいね。一山いくらの新鮮な魚が手に入るもんね。
    一昔沼津に住んでた頃は、市場では売れない新鮮で安い魚をよく買ったなァ。

  2. yuris22 より:

    素浪人様

    一山幾らは都内の高級スーパーで買えば、一匹の値段でしょうね。

    ジモティとしては安く買って気軽に捨てられる部分も多いので、最近は
    イタリアンやフレンチに挑戦しています。

    難は素材の値段より、調味料の値段が遥かに高いこと。奥が深いです。

  3. ツネ2 より:

    おいしいものが食べられる。
    いいですね。
    それが自然ですね。
    そこにはいい人たちがいます。
    気がつけば自分もその人。
    もしかして、まさか次ぎ買うのはかつおですか?

  4. yuris22 より:

    ツネ2様

    カツオですかあ!
    目に青葉の走りですね。
    炭火で炙って、いかに美味しい「カツオのたたき」が出来るかがテーマです。

    だんだん「チューボーですよ」みたいになってきました(笑)

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