ノウゼンカズラの木が倒れて見晴らしが良くなったせいか、与六は日がな一日、外を観察している。物音が聞こえると、ダダダッと走って窓から窓へ移動。カートを押す宅配便のお兄さん、打合せをする植木屋さん、立ち話をする奥さんたち・・、ピンと耳を立てて見張るのが日課だ。
最も反応するのは鳥や虫などの飛ぶ生物で、網戸越しのタックルを試みる。からかうようにベランダで遊ぶ小鳥たちを捕まえられない、もどかしい。そんな時の鳴き声は「ニャー」ではなく、「カカカカ」と小さな機械音を発するのである。
最初は何の音だか分からなかったが、音源を探しに行くと与六のアゴを発見。横から見ていると、歯をカチカチ鳴らしていることもある。親猫からの伝授ではなく、天然の習性なのだろうか、猫とはますます不思議な生物である。
調べてみるとこの「カカカカ」は、動物の転移行動というらしい。ペット総合情報サイトのPETPETから記事を引用すると、「一瞬の歓喜、興奮、欲求等が水の泡に帰した時のショックを鎮めるために起こす行動で、何とか気分転換をはかって常態に戻るために努力する姿形」である。
そういえば私にも経験がある。フェイシャルエステを受けている際、あまりの気持ちよさに「ンガッ」とイビキをかいてしまった自分にハッと気付く。ごまかすために咳払いをしたり、「すみません、スチームが喉に当たって」と機械のせいにしたり・・って、これは単なる照れ隠しかな。
人間の転移行動。法務大臣でありながら、参院選に落選した千葉景子氏の「カカカカ」はどんな形で現れるのか、ポストがポストであるだけに気になるところである。
コメント
こんにちは!そういえば「カカカカ」と音を出しますね。春にお空へ返した生粋のハンター・ニャンは若い頃にそうでした…加齢で肥満になってからはイビキと文句しか聞くことありませんでしたが。2代目のニャンは少し頭の弱い子で、シャーっと威嚇もできなければ毛を逆立てることもできない優しい子で、「カカカカ」は6年間で一度も発したことがありません。久しぶりに聞きたいなぁ。
猫は昔から大好きでよく飼っていますが聞いたことがないです。
「うにゃーお」「にゃ~」「しゃー!」「ぶにゃ~」
「ぶ~ん(ごろにゃん)」
こんなとこでしょうか(笑)
そう言えば、猫も人間と一緒で独占欲の強さにすごく差があります。
華梨様
生粋のハンター・ニャンも2代目の優しいニャンも、それぞれ個性がありますね。うちのやんちゃニャンも歳を取れば大人しくなるのかな。今はパソコンに向かう私の背中に、跳びかかって邪魔をしてます。
marie様
独占欲、ほんとに強いです。与六を抱っこしてお散歩中、前から手なずけていた野良猫に遭遇したのですが、毛を逆立てて「ウォゥウォウ、ギャオー!!」と叫びました。他の猫ちゃんとは共存できそうにありません。