崩れていく地球のバランス

昨夜の予期せぬ大雨で、睡眠不足だ。与六が「アン！ウニャーゴ！」と騒いで、家じゅうを走り回って落ち着かない。静かになったと思ったら、なんと網戸を手であけてベランダに逃走。びしょ濡れになったのを抱えて室内に入れたが、その後も必死で外へ出たがる。こんなことは初めてなので、動物の勘で天変地異を察したのかと不安になり、睡眠不足に至ったわけである。

インドでは豪雨被害が続いている上に、中国では大規模土石流で1300人が不明。日本には台風4号が近づき、今日から明日にかけて太平洋側に雷を伴う激しい雨が降る恐れがあるという。

その一方でロシアは干ばつが進んで、大規模な森林火災が発生。全滅する村、廃墟となった町、都市部までもが灰に包まれ、プーチン首相はロシアの可耕地の3分の1が焼け果てたと発表した。これにより年末まで穀物を輸出禁止にしたことで、小麦相場は40%超の値上がりを記録している。

アジア大陸の猛暑とは真逆に、ブラジル、アルゼンチンなどを47年ぶりの異常寒波が襲い、南米各地が雪と氷に閉ざされて、農作物と家畜の膨大な損失を招いている。

大雨、干ばつ、寒波。明らかに地球のバランスが崩れている。経済危機が蔓延した世界に、天変地異と食糧危機が加わってきたのは誰の目にも明らかだ。自然を痛めつけて経済発展を優先させた人類に、自業自得のジャッジが下るのだろうか。

冷蔵庫のキュウリ1本、無駄には出来ない。三浦海岸から毎週野菜を届けてくれる友人ができた幸運に感謝しながら、ベランダに並べたプランターも花から野菜に切り替えることにした。自分で自分を守ることが、これからの社会を生き抜く術だと思う。

眠たい与六は、何を警戒しているのかソファーの下。雨は蝉しぐれと交互に、降ったり止んだりだ。嵐の前の静けさに五感を働かせて、動物の本能を取り戻すこととしよう。