夏空に入道雲がむくむくと育ち、昨日の涼しさはどこへやら。お盆休みの遅めのランチに、そうめんを茹でた。
薬味はキュウリ、みょうが、錦糸卵、きざみ海苔、おろし生姜、カリカリに焼いた細切りベーコン。食卓にセッティングが整ったところで、そうめんを鍋の湯に放つ。茹で時間は1分半弱。ざるから氷水を張った洗い桶に移したら、水を流しながら十分に揉み洗いする。備前焼の手付き器に涼しげに盛り付け、スルスルッと流し込む喉越しの良さは、夏ならではの快感である。多いかなと思った2束が、たちまち胃に収まった。
夏の食欲は人それぞれ。子供のころは早く遊びに行きたくて、大人たちに交じってじっと食卓に座るのは拷問に近かった。カレーライスのように簡単に食べられるメニューならまだしも、ご飯とおかずが並んでいるときには、「もうい~い?」「もっと食べなきゃダメ!」のやり取りを繰り返したものである。
夢中なことがあると、食欲がすっ飛んでしまうのは今も変わらないし、悪いことではないと思っている。一昼夜かけてパソコンのリカバリー作業に没頭し、完了した暁にはビールの美味しいこと。モリモリと食べて元気は昨日以上に復活する。
しかし気分が滅入って食欲がないのは宜しくない。昨日喫茶店で会った友人が、肩をすくめて呟いた。
「一人だから面倒臭くて、今夜はスーパーでお寿司を買ってきたわ」
彼女は何かと悩み事が多く、食べる気がしなくて4kg痩せたという。身体の具合は大丈夫と言うけれど、怠惰という名の不健康が生活を浸食している。
心がポジティブでいるように努めれば、食欲もポジティブだ。朝昼晩規則正しくとはいかなくても、美味しいと思えるものを、きちんと食べなきゃ。愛情のこもった料理は先ずは自分のため。食後に大好きなマンデリンを入れながら、今日ひとつ熟した幸せに満足している。
コメント
おいし~そゥ~!拙者は不思議に夏でも食欲減退しません。
ゆり子さまの「そうめん」たべたい!
いつもながら、なんてステキな食器でしょう!!
私もこんな器でいい景色を眺めながらそうめんが食べたい~
いいですね(^-^)
ヘルシーで素敵なメニューです(^-^)
今日は朝から晩までディズニーシーで遊びました\(^O^)/
ホテルの和食バーに行ったところ、とても夜景が素敵でした(22階ですよ)
話が戻りますが、確かに自分一人の為に食事を作るのは億劫になる事は私もあります。
今は息子が夏休みだからまだいいですが、日常生活だと友人とランチの日以外は一人ランチなので、気が進まないことが多くて手抜きが多いです(>_<)
的は逗子の素浪人様
私もある年齢を境に、夏痩せすることがなくなりました。
旺盛な食欲をどうセーブするか、メニュー選びに苦労しております。
しのぶ様
ありがとうございます。いい食器ほど、普段用・自分用に使うことにしているんです。食べ物が数倍おいしくなりますからね。
私の実家では、高価な食器は箱に入れて未使用のままでした。家族が使うのは縁が欠けた皿や、どこかで貰った安物ばかり。家族がいなくなった家を売却するときに、宝の持ち腐れを実感しました。
生きてるうちに「使ってなんぼ!」だと思います。
marie様
一人ランチはキッチンに立ったまま食べる人も多いと聞きました。私も納豆かけご飯でチャチャッと済ませることもあります。
でもそれを続けてると、自分が惨めに思えてきて・・
時間があるときには、主人公である自分へのおもてなしを心がけることにしました。