被災地へコタツを贈るプロジェクト

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被災地の冬は早い。仮設住宅のニュース映像では石油ストーブを使っている様子も見えるが、換気や防火を考えると、コタツが一番じゃないかと考える。ダイニングテーブルにも寝場所にも使えて一石二鳥。電気代は安いし、家族団らんには欠かせない日本ならではの暖房器具だ。

私が所属しているボランティア団体から、石巻の牡鹿半島へコタツ100セット(コタツ、敷布団、掛布団)を寄贈することについて、理事会の承認が下りた。多賀城市の電気店に発注し、小渕浜から小網倉浜に建設中の仮設住宅、もしくはその周りの個人宅が対象となる。

もっと沢山のお宅に届けたいのは山々であるが、プールした義捐金には限度がある。公平性を考えると、贈呈先選びは難しい。従ってこれまで炊き出しに行ったり、民生委員に電動自転車を寄贈した牡鹿半島を継続支援することが、ご縁を大切にするという意味での支援になると考えた。

そんな折りに新聞には、暖房器具費を政府が補助するというニュース。

「仮設住宅の石油ストーブ・こたつに補助 厚労省」
厚生労働省は7日、東日本大震災の被災地の仮設住宅に、県が石油ストーブやこたつ、ホットカーペットを設置する費用を、国の負担による補助対象にすることを決めた。仮設住宅にはすでにエアコンが設置されているが、それだけでは不十分と指摘される地域もあるため、防寒対策を後押しする。

 災害救助法に基づく措置で、宮城、岩手、福島などの7県に通知し、最大で全戸(6日現在で入居済みは約4万4520戸)を対象とする。どの地域で設置するのか、入居者に希望調査をするのかなど、具体的な進め方は各県の判断にゆだねる。国庫補助の割合は県ごとに違うが、被害が大きかった宮城、岩手、福島の3県では、ほぼ全額を国が実質的に負担する。

 仮設住宅の防寒対策をめぐっては、野田佳彦首相が6日の国会審議で「大変寒い地域で震災が発生した。早期に結論を出すように全力を尽くしたい」と答弁していた。
(asahi.comニュース 2011年10月8日5時0分より転記)

閣議決定の段階で出たニュースとは思うが、連休を挟んでこれが発表されたせいで、情報が錯綜しているらしい。宮城県石巻では支援団体や公益法人からボランティアセンターに届くはずだった暖房器具一式がほとんどキャンセルになってしまい、被災地はパニックに陥っているという。年金のない高齢者たちが心待ちにしていた暖房器具もストップしてしまった。

そして今日、岩手県ではこんなニュース。

「仮設全戸に暖房器具 県、寒さ対策で設置へ」
県は12日、仮設住宅の寒さ対策として、全戸に暖房器具を設置すると発表した。石油ストーブやホットカーペットなどが災害救助法による国庫負担の対象となったことを受け、市町村が地域の実情に応じて設置。県は家庭でできる寒さ対策などの事例説明会も行う予定で、本格的な寒さの到来を前に住環境の改善を図る。

 厚生労働省は7日、仮設住宅の暖房器具について新たに災害救助法による国庫負担の対象とすることを県に通知。石油ストーブ(ファンヒーターを含む)、ホットカーペット、電気こたつが対象となる。

 地元業者への発注により地域経済の復興を促す狙いから、県は設置事務を市町村に委任。各世帯の事情などを勘案して市町村が選択し、各戸に一つ設置する。

 県によると、暖房器具は民間支援団体や企業からも提供を受けており、宮古市、大槌町など9市町村の仮設住宅のうち希望する全世帯に提供済みという。

 また、県は今月から、入居者が寒さ対策などの住環境を改善させる事例を紹介する説明会を開催。15日の釜石市の鵜住居第2仮設住宅団地を皮切りに、宮古市以南の4市で今後開催する予定だ。

 県はプレハブリース業者の仮設住宅約7800戸について追加の断熱工事を実施。ハウスメーカーなどの住宅には11月末までをめどに風除室を設置する。

 県生活再建課の鈴木浩之総括課長は「できるだけ早く、地域の実情に応じた暖房器具の設置を市町村にお願いしたい」と話す。
(2011/10/13 岩手日報より転記)

岩手では暖房対策が進んでいるようだが、よく読んでみると対象は仮設住宅だけ。たとえば1階が壊れたままの個人住宅で、2階で暮らしている人たちはどうなるのだろうか。

まだ行き先が決まらない人たちもいる。石巻市では11日に全避難所が閉鎖され、損壊した自宅の修復を待つ避難者たちは待機所へ移った。彼らが自宅に戻った時、暖房器具を購入する資金があるのだろうか。その頃にはどの電気店でも売り切れになっていないだろうか。

我慢してもう少し待っていろと国が言おうと、寒さは待ってくれない。石巻の天気予報を見ると、来週からは最低気温が10度を下回るし、お年寄りほど寒さが身にこたえる。今すぐ欲しい暖房器具を今すぐ送らなくては意味がないのだ。待ったをかけるタイミングが悪すぎる政府に歯がゆさを感じながら、また今日も支援に向けてメールのやり取りが続いている。

追記:
この夏、逗子でフリマを開いて得た資金で南相馬に扇風機を送りましたが、冬用にプールしておいた残金で、僅かながらコタツセットを石巻に送ることとしました。収入のない高齢者の方々に届く予定です。フリマの際、ご協力頂いた皆様に改めて感謝を申し上げます。

コメント

  1. 壱号 より:

    はじめまして。

    初訪問です。
    これからものぞかせてもらいます。

  2. yuris22 より:

    壱号様

    いらっしゃいませ。
    私もさっそく訪問させて頂きました。

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