朝礼暮改電力

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久しぶりに都内のホテルの宴会場へ行った。節電のために廊下の照明は暗く、エスカレーターはストップし、私たち以外の宴会は行われていない。本来ならフレッシュマンが街に溢れ出るシーズンのはずが、まさに「閑古鳥が鳴いている」だ。

さんざん生活をかき回してくれた計画停電は、先月下旬から実施されていない。東京電力によれば、気温が上がって暖房の需要が減ったからと言っているが、原発事故と同様に説明は曖昧だ。お昼過ぎの報道で「明日の計画停電は中止となりました」と聞き、やっと次の日の予定が立てられる綱渡りが続いている。

それでも日本人は律儀な人種だと思う。3時間の停電が1日に2回訪れようと、みんなが率先して節電に協力した。電車は運休し、繁華街はネオンを消し、店舗は閉店時間を早め、家庭ではローソクとカセットコンロで夕食時を過ごす。非国民の如くなじられたセ・リーグは開幕を4月12日に延期。お花見も石原都知事のお達しにより自粛ムードだ。このまま行けば夏を待たずして、首都圏の経済循環は大ピンチに陥るだろう。

電力需要に対して、東電の試算は根拠が見えない。いかにも電力を喰いそうな電車だって、今は蓄電池駆動システムを搭載した省エネタイプなので、電力需要は東電全体の2%に過ぎないという。それを走らせたからと言って、本当に大規模停電は起こったのだろうか。

計画停電のグループ分けが不公平なのはもう諦めている。変電所によって1~5グループに分かれるのは仕方がないとして、A~Eグループって何?発表されてから一度も実施されないまま、分類分けの根拠は東電のホームページのどこを見ても説明がない。

原発事故の処理で余裕がないのは分かるが、東電の社員全員が原発にかかりっきりなのだろうか。説明不足、朝令暮改を改めようとする気付きのある人間はいないのだろうか。東電が国有化されれば、そのボケたちのツケを払うのは、税金を搾取される私たち「お人よし」の国民だ。

被曝しながら原発内で戦っている社員たち以外に、東電にはお客様を思ってくれる社員があと何人いるのか、壁の向こうは全く見えない。

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